金融庁、人的資本開示へのパブリックコメントを受け回答、一部修正へ

2月20日、金融庁は「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正を公表し、人的資本開示に関するパブリックコメントへの回答を公表した。回答の方針としては、開示拡充の方向性を維持しつつ、実務上の懸念に対する明確化や規定修正が示された。主な回答について一部を紹介する。

重複記載は参照方式が可能

「サステナビリティに関する考え方及び取組」と「人材戦略に関する基本方針等」の間で記載内容が重複するとの指摘を受け、金融庁は参照文言を付して一方にまとめて記載することを許容するよう記載上の注意を修正。

人材戦略・給与方針は画一化せず

人材戦略や新設される「給与等の決定方針」について、具体例の提示を求める声があった。金融庁は画一的な記載例は示さない方針を維持しつつも、企業の実態に応じた説明を重視する姿勢を示した。給与決定方針については、社内の詳細な検討経緯までの開示は不要と整理。また、提出会社が「子会社の経営管理を主たる業務とする会社」(純粋持株会社など)の場合、最大人員会社も含めた報酬決定方針の開示にすると修正。

最大人員会社は従業員数で客観判定

最大人員会社の平均給与等を開示対象とする点については慎重意見があったが、金融庁は、従業員数という客観基準で判定することが適当と回答し、平均年間給与等の記載を内国法人に限るとし外国会社は比較有用性の観点から対象外。
あわせて、平均年間給与の対前年度増減率については、構造要因により単純比較が難しい場合、補足的な注記を行うことも可能と整理している。

その他の論点や詳細は、金融庁が公開している回答を確認することをおすすめする。

今回の改正は、人的資本開示の拡充を進めつつ、重複整理や持株会社への配慮など、実務面の明確化を図ったものといえるものの、今後は、形式的な項目対応ではなく、戦略と整合した説明力のある開示が一層求められそうだ。

(原文)「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」等の公布及びパブリックコメントの結果について

人的資本開示の高度化が重要に

日本国内では、人的資本開示の改定が進む一方、ISSB基準においても人的資本開示の議論は進みつつあります。サステナビリティ戦略における人的資本戦略の重要性について投資家からの関心も高まりつつある。会員限定ページでは、ISSB基準における人的資本開示への議論の動向や、国際基準の動向について確認できますので、ぜひご活用ください。

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