ECB、気候・自然関連リスク管理の好事例集を更新

5月8日、欧州中央銀行(ECB)銀行監督部門は、気候・自然関連リスク管理とストレステストに関する好事例集を更新した。執筆者はECB理事会メンバーで、監督委員会副議長のフランク・エルダーソン氏である。今回の更新は、60を超える金融機関で実際に導入されている手法を基に、物理的リスク、健全性上の移行計画、シナリオ分析、自然関連リスクなどの分野における実務上の課題を補うことを目的とする。

ECBによると、監督対象の銀行は近年、気候・自然関連リスクを特定、定量化、管理するための基礎的な体制を整えてきた。一方で、物理的リスクや自然関連リスクの測定手法はなお発展途上であり、リスクが過小評価されている可能性があると指摘した。

好事例集では、脱炭素化が難しいセメント、鉄鋼、航空などの分野に対する移行ファイナンス、企業顧客との対話を通じた物理的リスク管理、再生可能エネルギーなど成長分野への戦略的な価格設定を紹介している。また、顧客単位での移行リスク評価や、建物・資産の正確な所在地に基づく急性物理的リスクの分析など、より詳細なシナリオ分析とストレステストの事例も示した。

自然関連リスクについては、多くの銀行が重要性評価を実施している一方、約3分の2はそれを体系的なリスク管理行動に結び付けていないという。ECBは、公的データやツールの活用、顧客との対話、デューデリジェンス、内部資本十分性評価プロセス(ICAAP)への統合などを進める必要があるとした。

ECBは今後、監督上の対話を通じ、リスクの過小評価、物理的リスク、不確実性が高まる環境下での気候・自然関連リスクに重点を置く方針である。

原文:Good practices for advancing climate and nature-related risk management

日本語参考訳:気候変動および自然関連リスク管理を推進するための優良事例


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