GRI、生物多様性報告の事例付きガイドを公表、TNFD開示との整合を重視

2月16日、GRI(Global Reporting Initiative)は、生物多様性に関する企業報告の実務を支援する事例付きのガイド「Decoding biodiversity impacts: A practical guide to corporate reporting with the GRI Standards」を公表した。なお、「GRI 101: Biodiversity 2024」は2026年1月から適用されており、GRI 304:Biodiversit 2016を更新し、置き換えるもの。
本ガイドでは、自然損失の進行が経済・金融リスクとして認識される中、企業に求められるのは「情報開示」から「戦略的対応」への移行と位置付けている。また、企業は生物多様性への影響の特定、重要地点(ホットスポット)の把握、直接的な損失ドライバーの開示、管理措置および成果の説明を求められるとしている。
なお、GRI 101:は昆明・モントリオール生物多様性枠組との整合を図るとともに、TNFDの推奨フレームワークとの相互運用性を重視して設計されている点が特徴だ。
一方、TNFDは、企業に対して自然関連の依存・影響・リスク・機会(DIRO)の評価と開示を求めており「LEAPアプローチ(Locate, Evaluate, Assess, Prepare)」が重要であるとしている。
今回のGRIのガイドでは、GRI 101の影響マテリアリティ評価とTNFDのLEAP手法がどのように補完し合うかが示されている。また、ガイドには、パイロット企業の事例が掲載されており、GRI 101とTNFD LEAPを併用し、重要地点の特定やホットスポット分析を実施している。本事例は、影響評価と財務リスク分析を分断せずに実施している事例であると言える。
GRIの今回のガイドは、単なる基準解説ではなく、GRI 101をTNFD対応の基盤として活用する方法を示している。GRI指標を活用している場合、TNFD開示との整合を進めるためにも、以下の準備を進めることが重要だろう。
- バリューチェーン全体の影響マッピング
- ローカル(地域)レベルでのデータ整備
- 財務部門との連携強化
なお、GRIではTNFDとの開示項目におけるマッピングも公表しており、相互運用に関する支援が提供されている。自然関連開示は、気候変動と並ぶ次の中核テーマとして制度化が進んでいる。自然関連リスクの把握は、将来的に投資判断や資本コストにも影響を及ぼす可能性のある重要なテーマである。
(原文)From transparency to action: practical support to advance nature protection
(日本語参考訳)透明性から行動へ:自然保護を推進するための実践的な支援
TNFD開示が制度化へ
2026年内にはTNFD開示がISSB基準へと統合が進む予定であり、自然資本情報開示ではデータの透明性や信頼性の確保が求められています。また、自然資本リスクへの対応は経営戦略の前提条件となりつつあります。会員限定ページでは、投資家から評価されるTNFD開示について解説しているのでご活用ください。

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