コーポレートガバナンス・コード改訂案公表、「プリンシプル化・スリム化」を実現

2月26日、金融庁は、コーポレートガバナンス・コードの改訂案を有識者会議にて提示した。今回の見直しでは、サステナビリティ関連規定の再整理がされたほか、取締役会の責務として明確化する方向性が示めされた。

コーポレートガバナンスコード改訂とサスティナビリティ関連情報

改訂案では、現行コードの「社会・環境問題をはじめとするサステナビリティ課題」やその取組みに関する規定、さらにサステナビリティに関する基本方針を定めた条項を、新設される原則に統合する方向が示された。これにより、サステナビリティは個別の開示項目として扱われるのではなく、取締役会が監督すべき経営課題として再整理されることになる。

また、中核人材の登用等における多様性確保に関する規定は、補充原則から原則へ格上げされる案が示された。人的資本や多様性は、努力義務的な位置付けから一段引き上げられ、ガバナンス上の重要事項として明確化される方向だ。なお、TCFDに関する開示は、法令との重複があるとして改訂案ではこの規定を削除する方針が示された。

改定の主な焦点

今回の改訂では、47の補助原則が原則、解釈指針、削除対象の3つの再構築されている点が注目される。解釈指針とは、「コンプライ・オア・エクスプレイン」の対象外となるが、他の原則の補助的な位置づけとなる。このように、改訂を通じて開示の負担は軽減されるものの、価値創造・成長などにおけるガバナンスのあり方を自律的にとらえて説明する力が今後は求められるようになるだろう。

また、改訂で重視されているのが「経営資源の配分」と社外取締役の位置づけであると言える。改訂案では、取締役会が、「成長の道筋を構築・提示する責務を負うこと」「成長投資や事業ポートフォリオ見直しについて具体的に説明すべきこと」「現預金の有効活用も含め、資源配分の妥当性を不断に検証すべきこと」を明確化する方向が示された。また、社外取締役については、「社外取締役の役割・責務の明確化」「質・量・独立性の確保」「支配株主を有する企業における独立性強化」などの規定を強化する方向が示された。

今回の改訂案では、サステナビリティはもはや独立したテーマではなく、企業の成長戦略や資本配分、リスク管理と一体で論じられるべき経営課題へと位置付けが移りつつある。サステナビリティへの対応が経営における重要事項として構造変化を制度面から裏付ける動きとなりそうだ。

(原文)「コーポレートガバナンス・コードの改訂に関する有識者会議」(令和7年度第2回)議事次第

🔓会員登録の4つの特典

話題のサスティナビリティニュース配信

業務に役立つオリジナル解説

業務ですぐに実践!お役立ち資料

会員特別イベントのご案内!

すでに登録済みの方はログイン

関連記事一覧