カナダ、オンタリオ州教職員年金基金、脱炭素投資を大幅

2月19日、カナダの大手年金運用機関であるオンタリオ州教職員年金基金(Ontario Teachers’ Pension Plan Board)は19日、2026年から2030年までの新たな気候戦略を発表した。2030年までに、脱炭素移行に対応した民間投資を700億ドル(約7兆円)規模に拡大し、現在の約2倍に増やす方針を示した。

今回の戦略は、気候変動への対応とエネルギー転換による投資機会の獲得を両立させ、長期的な資産価値の向上と社会への実質的な影響力を高めることを目的としている。とくに、同基金が強みとする民間市場への積極的な投資と、投資先企業への関与を軸に据えた点が特徴だ。

新たな気候戦略では、再生可能エネルギーや排出削減技術など、温室効果ガスの削減に貢献する分野への投資を強化するとともに、投資先企業と連携して実効性のある脱炭素計画の策定や実行を後押しする。技術導入や資金調達の支援を通じて、企業のエネルギー転換への対応力を高める狙いがある。

同基金はこれまでに、2019年比で排出強度を約50%削減し、2025年目標を前倒しで達成してきた。今回の戦略では、従来重視してきた排出強度指標に加え、実際の排出削減や社会的影響といった「実質的成果」を重視する評価手法へと転換する方針を打ち出した。

アンナ・マレー持続可能投資部門責任者は、「エネルギー転換の実現には民間資本の役割が不可欠だ。これまでの経験を生かし、現実的で影響力のある投資を進めていく」と語っている。

今回の投資評価枠組みは、国際的な環境金融機関であるクライメート・ボンズ・イニシアティブ(CBI)から審査と承認を受けており、国際的にも一定の評価を得ている。CBIのショーン・キドニーCEOは、「世界の投資家にとって模範となる取り組みだ」とコメントした。

同基金は、2050年までに運用資産の大半を脱炭素対応資産や低排出資産に移行させる方針も示している。進捗状況は2026年の年次報告書から毎年公表され、炭素排出量に関する情報開示も継続される。

オンタリオ州教職員年金基金は、2025年6月時点で約2,700億ドルの資産を運用し、約34万人の教職員と年金受給者を支えている。今回の新戦略により、年金運用の安定性を確保しながら、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを一層強化する姿勢を鮮明にした。

(原文)Ontario Teachers’ 2026–2030 Climate Strategy
(日本語参考訳)オンタリオ州教師組合の2026~2030年気候戦略

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