9月6日、RWEとユーリッヒ研究センターは、ドイツ・ベドブルグ近郊のガルツヴァイラー露天掘り(MTR)炭鉱の跡地を活用し農業と太陽光発電を組みあせたソーラーシェアリングを行う実証研究プロジェクトを開始したと発表した。
RWEは、ガルツヴァイラー褐炭露天掘り鉱山の端にある約7ヘクタールの開墾地に、太陽光発電と同時に農業・園芸用地として利用するためのアグリ太陽光発電(Agri-PV)プラントの建設を開始した。本研究プロジェクトは、ノルトライン=ヴェストファーレン州が気候保護とエネルギー転換のためのプログラム「progres.nrw」を通じて資金援助している。実証プラントのピーク容量は3.2メガワット(約2.5MWac相当)で、今年末までに試運転が開始される予定だ。2024年の開始時には、少なくとも5年間にわたる研究活動が開始される。
本プロジェクトは、アグリPVプラントの運営者に適した栽培方法と付加価値戦略をテストすることを目的としている。ユーリッヒ研究センターは、バイオエコノミーの文脈も含め、植物研究と太陽光発電の組み合わせに関する科学的専門知識を提供する。耕作地に加え、RWEは地域の農家と長年のつながりがあり、世界各地の太陽光発電所の開発、建設、運営から得た広範な技術的専門知識を提供している。
実証プラントでは、3つの異なる技術コンセプトのAgri-PVが計画されており、いずれも発電と農業・園芸生産の同時利用を可能にしている。ネクスト・ツー・サンによる最初のシステムは、太陽電池モジュールを下部構造に固定設置する垂直設計を採用している。モジュールの列と列の間には収穫機械が入る十分なスペースが残されており、土地の農業利用が試される。シュレッターによる2つ目のシステムでも、モジュールは列状に設置されているが、可動軸に取り付けられており、太陽の東から西への進路に沿っている。
これにより、PVシステムからのエネルギー収量が最適化され、同時に農業用地として利用できる土地が確保される。Zimmermann PV-Stahlbauによる3つ目のシステムでは、PVモジュールは高いパーゴラのような下部構造の上に設置され、その下でラズベリーやブルーベリーなどの農作物を栽培することができる。
【参照ページ】
(原文)Solar power and agriculture going hand in hand: RWE to build demonstration plant for agrivoltaics
(日本語参考訳)RWEとユーリッヒ研究センター、炭鉱跡地でソーラーシェアリング実証開始