
10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対応関係を整理した「Correspondence Mapping」を公開した。本資料は、市場参加者に対し、両枠組みの開示要求の一致点・相違点を把握するための実務的手引きを提供するものである。
本マッピングでは、環境課題のカバレッジとマテリアリティの考え方で両者が異なることを示している。
CDPは、気候変動、水資源、森林、生物多様性、プラスチックを中心に、事業活動・サプライチェーンにおける依存・影響・リスク・機会を把握する。
一方、TNFDは、陸域・淡水・海洋・大気の4つの自然領域を統合的に扱う点が特徴であり、2025年時点でCDPが対象外とする海洋領域を含む。
また、TNFD開示指標の対応状況について、CDP質問項目と完全対応(Full)の項目もある一方、部分的対応(Partial)や対応なし(No correspondence)の項目が多数存在する。例えば、TNFDでは森林転換・土地利用変化に関する面積指標は部分的対応にとどまり、非GHG大気汚染物質、廃棄物排出、外来種管理、生態系状態などの指標はTNFD独自でCDPには対応がない。
マテリアリティについて、CDPは質問設計自体に重要性判断を内包し、特定テーマの報告要求を組織の事業実態に応じて設定する。一方、TNFDは、組織が採用するマテリアリティ手法を明示し、企業・資本提供者・広範なステークホルダーの情報要求に応じた開示を求める柔軟な構造を採る内容になっている。
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※2025年11月発行の自然移行計画ガイダンスの情報を更新















