H&M、Recover社とリサイクルコットンの長期供給契約を締結

10月29日、再生繊維メーカーのRecoverは、H&Mとの間でリサイクルコットン繊維「RCotton」の供給に関する複数年契約を締結したと発表した。これにより、H&Mは同社の製品ラインにおいて、Recoverが開発するリサイクルコットンの本格的な導入を進める方針である。

両社は2024年初頭から製品開発で協働しており、今回の契約はその成果を商業化段階へと発展させるものとなる。Recoverの「RCotton」は、廃棄衣料や生産残布を再生した繊維で、品質の均一性と追跡可能性を兼ね備えていることが特徴である。H&Mはこれを自社のグローバルコレクションに採用し、再生素材の利用拡大を通じてサステナビリティ戦略を加速させる狙いだ。

Recoverは75年以上にわたる繊維リサイクルの専門知識を持ち、ヨーロッパ、アジア、アメリカの主要生産地に5つのリサイクル拠点を展開している。同社は高度なプロセス管理によって、再生繊維の品質を工業レベルで安定的に維持できる体制を整えており、H&Mのようなグローバルブランドにとって重要な供給パートナーとなる。

H&Mグループは近年、再生素材や循環型繊維の活用を強化しており、今回のRecoverとの契約はその一環と位置づけられる。透明性や供給の信頼性、繊維性能を確保しながら持続可能な素材を拡大することは、同社が掲げる「循環型ファッション」への移行において中核的な要素である。今回の提携により、ファッション業界におけるリサイクルコットンの商業利用はさらに加速するとみられる。

(原文)RECOVER™ SECURES MULTI-YEAR RECYCLED COTTON AGREEMENT WITH H&M

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