9月15日、ノルウェーの石油ファンドの投資マネジャーであるノルゲス・バンク・インベストメント・マネジメント(NBIM)は、バリューチェーン排出量の開示、気候変動リスクに関する報告、移行計画の実施などの要件を含む、投資先企業に対する気候変動関連の新たな期待事項を発表した。
また、投資先企業は炭素クレジットを中間排出削減目標に算入すべきではないなど、炭素クレジットの使用に関する見解も発表した。
NBIMはノルウェーの石油・ガス資源からの収益を運用するために設立された。同ファンドは、世界の上場企業の全株式の約1.5%を所有する世界最大級のファンドに成長し、70カ国、9,000社以上の企業を保有している。
投資先企業に対する新たなガイダンスは、昨年発表されたNBIMの気候変動行動計画に続くもので、その中には、2050年までにファンドの全企業でネット・ゼロ・エミッションを達成するという目標や、ネット・ゼロ目標の設定義務など、投資先企業に対する気候変動関連の期待値を設定する計画が含まれている。
今回の公表で、NBIMは、投資先企業とのエンゲージメントが「アクションプランの中心」であり、対話、株主提案の提出と議決権行使、役員選挙の議決権行使を含むエンゲージメント活動において、このプロセスの参照点として新たな期待を利用できると説明した。さらにNBIMは、この期待値が投資分析とリスク管理の指針にもなると付け加えた。
炭素クレジットの使用に関する関連ガイダンスの中で、NBIMは、「炭素クレジットは、世界的に切望されている緩和と隔離の機会の資金調達に役立つ」ことを認めている。ただし、投資先企業にとっては、自社の排出量削減を優先すべきであり、「炭素クレジットは、科学的根拠に基づく短期的な排出削減目標の進捗に算入されるべきではない」と付け加えている。
排出削減を優先させる必要性に加えて、NBIMは、オフセット・プロジェクトの質や、排出削減の努力や投資から目をそらす可能性など、カーボン・クレジットに関するいくつかの懸念を概説した。
同投資顧問は、カーボン・クレジットの信頼できる利用のための追加的な要素を盛り込み、カーボン・クレジットは、追加的で検証された排出削減量を表し、持続可能なCO2除去を表すものでなければならないと詳述した。
これらの問題に対処するため、NBIMはまた、企業報告におけるカーボン・クレジットの使用の特定を含め、企業のカーボン・クレジット使用に関する透明性の向上を求め、企業に対し、自主的炭素市場(VCMs)で購入したクレジットの価格を開示するよう奨励した。
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(参考記事)UPDATE 2-Norway wealth fund tells companies to plan for climate transition