アマゾン、過去最大級のDACカーボン除去の購入を発表

アマゾン、過去最大級のDACカーボン除去の購入を発表

9月12日、アマゾンは、エネルギー大手オクシデンタル(オキシ)の炭素回収プラットフォーム1PointFiveと25万トンの二酸化炭素除去クレジットを購入する10年契約を締結したと発表した。今回の発表は、アマゾンがダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)技術に初めて投資したことを意味し、DAC施設としては過去最大規模の発注となる。

DAC技術は、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去ツールとして挙げているもので、大気中からCO2を直接抽出し、原料として使用したり、貯蔵と組み合わせることで永久的に除去したりする。昨年発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の画期的な気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオには、今後数十年にわたって年間数十億トンに拡大する二酸化炭素除去方法が含まれており、DACはその大部分を占める可能性がある。

アマゾンの二酸化炭素除去(CDR)クレジットは、1ポイントファイブのテキサス州にあるDACプラントSTRATOSによって実現される。STRATOSは現在建設中で、2025年に商業運転を開始する予定だ。このプラントは現在建設中で、2025年に商業運転を開始する予定である。ストラトスが完全に稼動すれば、年間50万トンのCO2が回収される見込みで、この種のプラントとしては世界最大となる。契約の一環として、CDRクレジットに使用される回収されたCO2は塩水貯水池に貯蔵される。

本合意は、オキシー、DAC技術プロバイダーであるカーボン・エンジニアリング、エンジニアリング会社であるWorleyが開発中のサウステキサスDACハブが、米エネルギー省(DOE)により最高6億ドルの助成金を受けるプロジェクトに選ばれたことを先月発表したことに続くもので、選ばれた2つのプロジェクトのうちの1つである。

オキシーはまた、先月カーボン・エンジニアリング社を買収することで合意したと発表した。この買収により、ダイレクト・エア・キャプチャーの「大規模で費用対効果の高い、世界的な炭素除去ソリューションとしての」展開が加速するとしている。

アマゾンはまた、同社のClimate Pledge FundによるDAC技術企業CarbonCaptureへの投資を発表した。CarbonCapture社は現在、炭素貯蔵開発会社のFrontier Carbon Solutions社と共同で、ワイオミング州の新しいDACプロジェクト「Project Bison」を開発している。このプロジェクトは2023年後半までに稼動し、2030年まで複数の段階を経て開発され、年間500万トンの回収・貯留能力を達成する予定である。

投資に加えて、カーボンキャプチャーは最大10万トンの炭素除去クレジットをアマゾンに提供する。アマゾンは、このクレジットを社内のビジネスだけでなく、サプライヤー、販売パートナー、顧客にも提供することを目指していると述べた。

AmazonのClimate Pledge Fundは、炭素ゼロ経済への移行を促進する製品やサービスを開発する先見性のある企業を支援することを目的としたベンチャー投資プログラムである。この20億ドル規模のファンドは2020年6月に設立され、アマゾンやその他の企業が、2040年までにネット・ゼロを達成するなど、「気候公約」に示された目標を達成できるよう支援することを目的としている。

【参照ページ】
(原文)Amazon Supports the World’s Largest Deployment of Direct Air Capture Technology to Remove Carbon From the Atmosphere
(日本語参考訳)アマゾン、大気中の炭素を除去する世界最大の空気直接回収技術の導入を支援

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