11月11日、アクセンチュアが発表した最新の「デスティネーション・ネット・ゼロ」レポートによると、2050年までに事業活動における排出量がネット・ゼロに達する見込みのある大企業は、わずか16%にとどまる一方、半数近く(45%)が依然として排出量の増加を続けている。ネット・ゼロを目指す企業の進捗が遅れている背景には、規模拡大に伴う排出量の増加があるとされ、AIの責任ある利用が急務となっている。
レポートは、2,000社を対象に炭素削減活動や排出量データを分析している。37%の企業がネット・ゼロ目標を掲げる一方、過半数が排出量削減に向けた取り組みを強化している。特にAIを排出量削減に活用することが今後の課題とされており、アクセンチュアはAIによるエネルギー効率化や廃棄物削減の可能性を指摘している。AIの排出量増加が問題視される中、同社はAI技術を責任ある形で利用し、脱炭素化を早急に実現するための必要性を訴えている。
また、地域別の動向として、欧州企業の48%が複数の炭素削減レバーを導入し、他地域よりも積極的な姿勢を示している。AI導入も欧州がリードしており、同地域企業の20%がAIを脱炭素化に活用。これは、CSRD(企業サスティナビリティ報告指令)などの規制が成長と競争力を支援する役割を果たすと考えられているためだ。
アクセンチュアは、クライアントに向けて脱炭素化戦略、グリーンIT、サプライチェーン変革を含むサステナビリティ・サービスを提供し、財務的価値と環境へのインパクト創出に注力している。Meta Llama 3.1を使用してESG報告に特化した大規模言語モデルも開発し、企業の持続可能な成長をサポートしている。