EU、グリーンウォッシュから消費者を保護するためのグリーンクレーム規則を開始

EU、グリーンウォッシュから消費者を保護するためのグリーンクレーム規則を開始

3月22日、欧州委員会は、グリーンウォッシングから消費者を守ることを目的に、企業が環境に関する主張やラベルを立証・検証することを義務づける新たなルール「グリーンクレームに関する指令」案を発表した。

欧州委員会の最近の調査によると、EU内の企業によるグリーン・クレームの半数以上が曖昧で誤解を招くものであったり、40%が全く根拠のないものであった。消費者にとって信頼性が高く検証可能な情報が必要であることに対応し、欧州委員会は新規則案を提案した。

新規則では、製品、サービス、事業自体の環境への影響、側面、性能に関するすべての自主的な主張が対象となる。また、「30%リサイクルプラスチックを使用したパッケージ」「海にやさしい日焼け止め」などの明確な主張が必要となる。

新規則は、企業がグリーンクレームを立証し、伝達し、検証するための最小限の要件を提案している。規則によると、企業は自主的な環境主張の信頼性確保が求められ、その主張は独立した科学的証拠によって検証され証明される必要がある。企業は、製品に関連する環境影響や、トレードオフの可能性を特定することが要求される。

また、新規則は、民間の環境ラベルの拡散に対処することも目的としている。欧州委員会によると、現在、少なくとも230種類の環境ラベルが使用されており、消費者の混乱と不信を招いている。新規則の下では、EUレベルで開発されたものでない限り、新たなラベル制度は認められず、新たな制度は、既存のものよりも環境に対する意欲を示す場合にのみ承認される。また、環境ラベルは、信頼性、透明性、独立した検証、定期的な見直しを必要とする。

欧州委員会は、従業員10人未満、売上高200万ユーロ(約2億8,000万円)未満の中小企業は、新提案の義務から免除されると述べている。

【参照ページ】
グリーンクレームに関する指令の提案

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る