Verra、新しい統合REDD手法のドラフトを公開、管轄区域のデータ開発に着手

4月19日、気候変動対策と持続可能な開発のための世界的な基準設定機関であるVerraは、森林炭素クレジットの完全性と品質を確保するためのREDD(森林減少および森林劣化による排出の削減)方法論を更新した。2009年に最初のREDD方法論を発表して以降、最も重要な改訂となる。同時に、新しい標準ベースラインのデータをクラウドソースする募集を開始した。

方法論の最も大規模な進化として、REDDプロジェクトの大部分である計画外森林破壊回避(AUD)活動を含む5つの別々の方法論を、「森林減少および森林劣化からの排出削減のための方法論」として1つの統合することが発表された。この方法論のモジュールである「計画外森林破壊の回避による排出削減量の推定」により、特定の国や地域におけるすべてのAUDプロジェクトのベースラインを設定することが初めて可能となった。

また、「計画外森林破壊の回避による排出削減量の推定モジュール」のベースラインデータも確立する。ブラジルのアクレ州・アマパ州・アマゾナス州・パラー州・ロンドニア州、カンボジア、コロンビア、コンゴ民主共和国マイ・ンドンベ州、ケニア、タンザニア、ザンビア、ジンバブエの12の管轄区域のデータについて、最初の募集を開始した。

2024年末までに、世界中のAUDプロジェクトがある40以上のすべての法域で、ベースラインを設定していく。

Verraは2020年1月に方法論の見直しを初めて発表し、その間に数回の協議と技術的なレビューを行った。今回、公開されただけでなく、Verraの強固な方法論開発プロセスの一環として、方法論草案は独立監査人であるAster Globalに送付された。本方法論は、本年第3四半期に最終決定され、公表される予定である。

【参照ページ】
(原文)Verra Publishes Draft of New Consolidated REDD Methodology, Initiates Jurisdictional Data Development
(日本語参考訳)Verra、新しい統合REDD手法のドラフトを公開、管轄区域のデータ開発に着手

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る