8月29日、運用資産1兆ドル(約145兆円)超を代表する投資家グループは、IFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)に書簡を発表し、企業が人的資本と人権について開示するためのグローバルな報告基準の開発を優先するよう求めた。
ISSBは2021年11月のCOP26気候変動会議で発足し、投資家、企業、政府、規制当局からの要求により、IFRSサステナビリティ開示基準を開発することを目標としている。
ISSBは、2023年6月に最初の気候変動とサステナビリティ報告基準を発表したが、最近、生物多様性、生態系と生態系サービス、人的資本、人権、財務報告におけるサステナビリティ情報の統合に関する研究プロジェクトの4つを含む、次の2年間の作業計画の優先順位に関するフィードバックを求める情報提供要請書(RFI)を発表した。
今回発表された書簡は、数カ国にまたがる24のアセットマネージャーとアセットオーナーが署名し、責任投資NGOのShareActionが取りまとめたもので、ISSBのRFIに呼応して送付された。ISSBは、「人的資本と人権の開示基準の研究を優先する」よう求めている。
書簡はまた、ISSBに対し、RFIでは別個のトピックとして提示されていた人的資本と人権に関するプロジェクトを統合するよう求めている。企業や投資家は、人権デュー・ディリジェンスが労働問題を特定するための重要なツールとして使用され、組合化やダイバーシティ&インクルージョンなど、いくつかのクロスオーバー領域が存在することから、実務上このトピックを関連領域として扱っていると主張している。
【参照ページ】
(原文)ISSB urged to prioritise international standards for reporting on human and worker rights
(日本語参考訳)投資家グループ、ISSBに人権と人的資本に関する報告基準の策定を要請