7月11日、EUの市場監督機関である欧州証券市場庁(ESMA)は、株式・非株式目論見書における持続可能性に関連した開示に関する期待事項を発表した。
ESMAによると、本ガイダンスは、投資家が十分な情報を得た上で投資判断を下せるよう支援すること、発行体に対して規制当局が提供することを期待する情報開示について理解を提供すること、各国所轄当局(NCA)による持続可能性関連情報開示の精査に向けた協調的なアプローチを確保することを目的としている。
ESMAの声明に盛り込まれたガイドラインの中には、発行体がサステナビリティ・プロフィールに関する記述の根拠を提供することが期待されている。
株式の目論見書については、開示が重要である限りにおいて、EUの持続可能性報告の枠組みである非財務報告指令(NFRD)、またはその更新版である企業持続可能性報告指令(CSRD)に従った報告が含まれることが期待されている。
本声明には、「資金使途」債や持続可能性連動債の目論見書に関するガイダンスも含まれている。ESMAは、グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンドなどの債券について、投資家がプロジェクトの評価と選択の根底にある野心を評価できるような情報とともに、資金使途に関する開示を目論見書に含めるべきであると述べている。持続可能性連動債の目論見書で提供されるべき情報には、選択された主要業績評価指標(KPI)や持続可能性業績目標(SPT)の詳細のほか、KPIやSPTと関連する科学的根拠に基づく目標や発行体の持続可能性戦略との整合性を評価できる情報が含まれる。
ESMAはまた、「一部の発行体は、目論見書に含まれていない持続可能性に関連する開示を広告に含めている」とし、これらの情報は重要であれば目論見書に含めるべきであり、「投資家にとっての広告における持続可能性に関連する開示の重要性は、その重要性の指標となる」と付け加えた。