リオ・ティント、ケネコット鉱山で再生可能ディーゼルに完全移行

10月29日、リオ・ティントはユタ州ケネコット銅鉱山におけるすべての大型鉱山機器を再生可能ディーゼルへと切り替えたことを発表した。この移行により、ケネコット鉱山は米国で最も低いカーボンフットプリントを誇る銅生産拠点の一つとなった。

同鉱山の97台の運搬用トラックと重機を含むすべての設備は、米国内で生産された再生可能ディーゼルで稼働している。これにより、Scope 1排出量は年間45万トン削減され、これは約10万7千台の車両の年間排出量に相当する。また、排ガス中のPM2.5(微粒子物質)は40%削減され、これは年間23億マイルの軽自動車走行分に匹敵する。

ケネコットの低炭素化は、石炭火力発電所の閉鎖や5メガワットの太陽光発電設備の設置、地下での電気バッテリー車両の導入、再生可能ディーゼルへの移行など、2018年以降の取り組みによって続々と達成され、同鉱山のカーボンフットプリントは80%以上削減されている。

ユタ州知事スペンサー・J・コックスと共に現地で開催された記念イベントにおいて、リオ・ティントのクレイトン・ウォーカー最高執行責任者は「再生可能ディーゼルへの移行は、ケネコットにおける脱炭素目標への重要な一歩であり、私たちは常に環境への責任ある管理を目指している」と述べた。

また、HF Sinclair社と協力し、ユタ州内での低炭素燃料の普及にも貢献する予定である。HF Sinclairはケネコット向けに1タンク18,000バレルの再生可能ディーゼル専用タンクを2基設置する。

リオ・ティントは、2030年までにScope 1およびScope 2排出量の50%削減、2050年までのネットゼロ達成を目指している。

【参照ページ】
(原文)Rio Tinto transitions to renewable diesel at Kennecott
(日本語参考訳)リオ・ティント、ケネコットで再生可能ディーゼルに移行

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-4

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の最終提言公表から1年が経過し、自然資本に関連する開…
  2. 2025-11-4

    英国、ESG評価機関の規制導入へ—透明性・信頼性向上で市場競争力を強化

    10月27日、英国金融行為監督機構(FCA)は、政府が環境・社会・ガバナンス評価機関をFCAの監督…
  3. 2025-10-29

    イベントレポート サステナビリティ経営フォーラム2025

    『本質に迫る対話とデータ活用 ~信頼を築く情報開示と戦略の再構築~』 ESG Journal…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る