SchroderとCarlton Power、グリーン水素の新JVに約344億円を拠出

Schroder、Carlton Powerがグリーン水素の新JVに約344億円を拠出

5月23日、グローバルな投資マネージャーであるSchroderの再生可能インフラ投資部門であるSchroders Greencoatとエネルギーインフラ開発会社のCarlton Powerは、英国におけるグリーン水素プロジェクトの開発を目的とした新しいジョイントベンチャー、Green Hydrogen Energy Company Ltd(GHECO)の設立を発表した。

SchroderとCarlton Powerは、2030年までに500MWに達するプロジェクト・ポートフォリオの構築を目指すとし、両社はSchroders Greencoatが管理するファンドから本パートナーシップに2億ポンド(約344億円)を出資することを発表している。

水素は、よりクリーンなエネルギーの未来への移行における重要な構成要素のひとつと考えられており、特に、金属製造や大型輸送など、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる解決策が現実的ではない、排出量の削減が困難なセクターにとって重要である。年間約9000万トンの水素が生産されているが、その大部分は化石燃料を使用して抽出されており、汚染物質やGHGの排出を生み出している。再生可能エネルギーで水素を取り出すグリーン水素のようなクリーンな水素供給能力を開発するには、インフラ、電解、輸送などの分野で大規模な投資が必要である。

水素製造能力の開発は、昨年発表された英国のエネルギー安全保障戦略の一部を成すもので、2030年までに低水素製造能力を10GWにする計画が含まれている。また、英国は2021年に「水素戦略」を発表し、脱炭素経済の燃料となる主要エネルギー源としての水素の開発・利用促進を目指し、2億4,000万ポンド(約413億円)の「ネット・ゼロ水素ファンド」の設立を計画している。

Carlton Powerは、現在および将来のグリーン水素プロジェクトの開発、建設、運営を担当し、Schroders Greencoatは、プロジェクトの資金調達と英国の再生可能エネルギーに関する専門知識を提供する。

両社は、新JVの最初の3つのプロジェクト(トラフォード、バロー、ランゲッジ)の概要を説明し、2025年に商業運転を開始する予定である。

【参照ページ】
(原文)CARLTON POWER & SCHRODERS GREENCOAT ESTABLISH JOINT VENTURE TO DEVELOP GREEN HYDROGEN PROJECT PORTFOLIO IN UK
(日本語参考訳)カールトン・パワー社とシュローダー・グリーンコート社、英国でグリーン水素プロジェクト・ポートフォリオを開発するジョイントベンチャーを設立

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る