5月24日、フランス政府は、鉄道で2.5時間未満で運行できる路線での短距離国内線の運航を禁止する新ルールに署名し、直ちに施行した。
新規則は、2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を40%削減するという同国の目標を支援することを目的とした一連の施策として、2021年に導入されたフランスの気候・レジリエンス法の一部として、住宅、小売、輸送などの主要部門を対象に、商品・サービスの環境ラベルの義務付けや化石燃料広告禁止などのルールが当初発表された。また、フランスは2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げている。
フランスの運輸大臣Clément Beauneは、「運輸の脱炭素化に関する行動を強力に推進する」ことが、カーボンニュートラル達成のために必要な重点分野であると述べる。現在、同部門は排出量の30%を占めている。
政府は新しい規則を「世界初」と説明しているが、この措置はほとんど象徴的なもので、国内の国内線総飛行量のうちわずかな割合を占めるナント、ボルドー、リヨン、パリ・オルリーの4都市間の3路線を事実上除外することになる。当初の禁止案では、代替鉄道の所要時間が4時間未満の便を対象としていたが、業界団体の反対を受け、導入された法律では2時間半の路線に短縮された。
欧州委員会は2022年12月にこの法律案を承認したが、代替鉄道が飛行機を利用する乗客のニーズを満たすために、頻度や容量などの要件を追加した。EUの要件により、残りの路線で鉄道サービスが改善されない限り、禁止される路線は事実上8路線から3路線に削減される。
【参照ページ】
(原文)banning short-haul domestic flights
(日本語参考訳)フランス、短距離飛行禁止令に調印