IFRS財団、北京事務所を開設

IFRS財団が北京事務所を開設

12月29日、国際財務報告基準(IFRS)財団の管理委員会は、中国財政部(MoF)と北京にIFRS財団事務所を設立するための覚書(MoU)に調印したと発表した。2023年半ばに開設予定の同オフィスは、アジアにおけるステークホルダーとのエンゲージメントのハブとして機能し、世界中の他のIFRS財団オフィスと連携する予定である。

国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)のエマニュエル・フェイバー委員長によると、世界のサプライチェーンにおける中国の重要性は、ISSBが資本市場向けのサステナビリティ情報開示のグローバルな基準値を策定する上で、重要な管轄地域となるとしている。

IFRS財団は、2021年11月のCOP26サミットでISSBを設立した。ISSBは、気候に関するものとサステナビリティ関連の財務情報開示に関するものの2セットの非強制的なIFRSサステナビリティ開示基準を発表している。2022年4月、米国証券取引委員会(SEC)は、IFRS S2基準と多くの点で類似した気候変動開示規則を提案した。さらに、中国証券監督管理委員会(CSRC)も2022年5月、ISSB基準に基づく新たな報告基準を策定する計画を明らかにした。

CSRCの方星海副委員長は、国際基準を正式に採用する前に、中国企業に環境・社会・ガバナンス(ESG)情報の自主的な開示を促した。方副主席は、この基準がほとんどの国で受け入れられ実施されれば、すでに海外に上場している中国企業やその地位の獲得を目指す中国企業に大きな影響を与えることになると述べた。

【参照ページ】
(原文)IFRS Foundation and MoF China sign an MoU to establish an ISSB office in Beijing

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    2025-4-1

    ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、20…
  2. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る