英・加の研究チーム、リサイクル洗浄水がマイクロプラスチック汚染の原因と発表

 

5月10日、英ストラスクライド大学と加ダルハウジー大学の研究チームは、プラスチックをマテリアルリサイクルする際の洗浄水が新たなマイクロプラスチック汚染の原因であると発表した。

本パイロット研究では、プラスチックリサイクル施設から水域へのマイクロプラスチック汚染放出の定量的理解を深めるために、英国の混合プラスチックリサイクル施設を調査した。

現在、プラスチック生産量と世界的なプラスチック汚染問題の増大に伴い、プラスチックリサイクルの増加と改善が必要とされている。プラスチックリサイクル施設などの点源から発生するマイクロプラスチック汚染に関する知識や評価は、世界的に見ても限られている。

未処理のリサイクル洗浄水には、5.97 106~1.12 × 108 MP m-3(蛍光顕微鏡分析による)のマイクロプラスチックが含まれていると推定された。マイクロプラスチック汚染の軽減(ろ過装置の設置)は、5μm以上のマイクロプラスチックの大部分を除去し、40μm以上のマイクロプラスチックについては高い除去効率を示すことが判明した。

5μm未満のマイクロプラスチックは、一般的にろ過で除去されず、その後排出され、年間59~1184トンが排出される可能性があることがわかった。洗濯排水の前に、より小さなマイクロプラスチックを除去するための追加ろ過を洗濯水管理に取り入れることが推奨される。マイクロプラスチックによる洗浄水汚染の証拠は、マイクロプラスチックを水質規制に組み込むことが重要である可能性を示唆している。

プラスチックリサイクル工程によるマイクロプラスチック汚染に関する知識を深めるために、さらなる研究を行う必要がある。

【参照ページ】
(原文)The potential for a plastic recycling facility to release microplastic pollution and possible filtration remediation effectiveness
(日本語訳)プラスチックリサイクル施設がマイクロプラスチック汚染を放出する可能性と可能なろ過浄化の効果

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-1-21

    アメリカがパリ協定から離脱表明、気候変動対応も転換。

    1月20日、アメリカのトランプ大統領は、地球温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定からの離脱を正式に…
  2. 2025-1-20

    モルガン・スタンレー等の米大手銀行がNZBA脱退。GFANZは再編を発表し資本獲得へ

    1月2日、ロイターによれば、投資銀行のモルガン・スタンレーは、ネットゼロ・バンキング・アライアンス…
  3. 2025-1-20

    Deep Sky、ビル・ゲイツ氏が設立した気候ソリューション基金から最大4000万ドルの助成金を確保

    12月18日、ケベック拠点の炭素除去プロジェクト開発企業であるDeep Skyは、ビル・ゲイツ氏が…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る