TotalEnergies、Greenpeaceを提訴

TotalEnergies、Greenpeaceを提訴

5月3日、エネルギー大手TotalEnergiesは、環境活動団体Greenpeace Franceと気候コンサルティング団体Factor-Xを、同社が温室効果ガス(GHG)排出量を「大幅に過小評価」しているとする報告書をめぐり提訴した。

TotalEnergiesは、4月28日に提出した民事訴訟において、本報告書の主張は「虚偽であり誤解を招く」と主張し、報告書の撤回と、Greenpeaceが同社のサイトやコミュニケーションにおいてこの報告書に言及したすべての資料を削除することを求めている。

Greenpeaceは、ウェブサイトに掲載した訴訟への回答で、TotalEnergiesの裁判は「気候変動運動全体」を威圧することを目的としていると述べた。

2022年11月の報告書「TotalEnergies’ carbon footprint: accounts are not good」では、GreenpeaceとFactor-Xは、2019年からのTotalEnergiesのGHG排出量を再計算することに目を向けている。エネルギー会社は同年の排出量を4億5500万トンと報告したが、報告書ではこの4倍近い16億トン以上の排出量と推定された。

報告書の発表後、TotalEnergiesは調査結果に対する回答を発表し、著者の方法論を「少なくとも、疑わしい」とし、報告書は同社のバリューチェーンを通じて同じ排出量を何度もカウントしていると主張した。また、TotalEnergiesは、自社の排出量報告はGHGプロトコルに準拠した業界固有の方法論に沿ったものであると述べている。

Greenpeaceは提訴後の声明で、このタイミングでの提訴は、5月26日に開催される年次総会を前に、同社への批判を封じるためのものだと主張した。

【参照ページ】
(原文)TotalEnergies sues Greenpeace over emissions report
(日本語訳)TotalEnergies、Greenpeaceを提訴

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-8-29

    CDPが新報告書を発表、上流Scope 3排出量の課題と解決策を提示

    CDPは6月、企業の上流Scope 3排出量に関する新たな報告書を発表した。本報告書では、サプライ…
  2. SBTiのカーボンクレジット方針見直しとその影響:基準の見直しの最新議論を解説

    2024-8-27

    SBTiのカーボンクレジット方針見直しとその影響:基準の見直しの最新議論を解説

    SBTi(Science Based Targets Initiative)が2024年に発表した…
  3. 2024-8-27

    オーストラリア上院、企業にサステナビリティレポートを義務付ける法案を可決

    8月22日、オーストラリア上院は法人法およびその他8つの法律を改正し、新たな気候関連財務報告要件を…
ページ上部へ戻る