5月4日、責任投資NGOの ShareActionが取りまとめる投資家連合は、今回開催された英国の銀行Barclaysの年次総会において、新規石油・ガスプロジェクトへの融資を中止し、同銀行が顧客の気候変動対策計画を評価する計画について詳細を説明するよう求めた。
ShareActionが声明を発表した機関投資家には、AkademikerPension、Barrow Cadbury Trust、Brunel Pension Partnership、Candriam、Ethos Foundation、Ethos Engagement Pool International、Falkirk Council Pension Fund、Folksam、Grünfin、Merseyside Pension Fund、Nest、およびNorthern LGPSが含まれている。
気候変動活動家によって何度も中断された総会での行動は、BarclaysとCrédit Agricole、Deutsche Bank、Societe Generaleなどの銀行が、新しい石油・ガス田への融資を今年中に終了することを約束することを求めるShareActionが2月に開始したキャンペーンに続くもので、他のヨーロッパの主要銀行、HSBC BBVA、ING、ロイズ銀行グループ、UniCreditが同様の約束をすることによって「2050年までにネット・ゼロを目指すすべての銀行の新しい最低レベルの野心を設定」したと指摘している。
キャンペーンの開始直後に、Barclaysは、オイルサンド企業やプロジェクトへの融資の終了、石炭火力発電への融資の廃止の加速など、一部の排出量の多いエネルギー分野への融資活動を大幅に制限することを目的とした一連の方針を発表したが、ShareActionは当時、新しい方針は、同行を “現在の最低野心水準” に合わせるには十分ではないと指摘している。
BarclaysのNigel Higgins会長は冒頭の声明で、同行の気候政策の更新と、2022年12月に明らかにした、2023年から2030年末までに1兆ドル(約134兆円)の持続可能な移行資金を促進するという新しい目標に大きな注目を集めた。
しかし、Nigel Higginsは、気候変動への融資を行う一方で、エネルギー需要への対応を支援するために、エネルギー企業との協力関係を継続する必要があるとも述べた。
【参照ページ】
(原文)Barclays’ shareholders not completely sold on bank’s new climate strategy
(日本語訳)Barclaysの年次総会、投資家がオイル&ガス・ファイナンスをめぐる対立を展開