ニューヨーク、2026年から新築ビルで化石燃料を使用禁止に

ニューヨーク、2026年から新築ビルで化石燃料を使用禁止に

5月3日、ニューヨーク州は、キャシー・ホーチュル知事の2024年予算とともに発表された新しいルールによると、建物の脱炭素化や、州の気候目標達成に向けた新たな再生可能エネルギープロジェクトへの投資策を盛り込んだ、ガスコンロの使用と暖房を禁止する最初の州となる予定である。

ニューヨーク州は2019年に気候リーダーシップと地域保護法(CLCPA)を可決し、1990年基準で経済全体の温室効果ガス(GHG)排出量を2030年までに40%、2050年までに85%以上削減するという州の公約を法律として定めた。

ニューヨークのGHG排出量の30%以上を占めるのは建物である。

新予算では、新築建物のゼロエミッション建設を進めるための要件を定めており、2026年までに7階建てまでの新築建物で化石燃料の使用を段階的に廃止し、2029年までにその他のすべての新築建物で、病院、重要インフラ、商業食品施設、地域の電気網が新しいオール電化建物の負荷を処理できない建物などを例外として、化石燃料を使用しないルールを設定している。既存のガス器具を使用している住宅は、本規則の影響を受けない。

建物の脱炭素化対策に加え、本予算では、排出削減のための資金調達や、エネルギー価格の上昇に直面する脆弱な地域社会を支援するため、大口排出者に年間10億ドル(約1,340億円)以上の負担を求める「キャップ&インベスト」プログラムの導入というニューヨーク州の計画も推進されている。ホーチュル知事が今年初めに発表した本プログラムは、大規模なGHG排出者や暖房・輸送用燃料の販売業者に対し、経済全体の排出枠に基づき、その活動に伴う排出枠の購入を義務付けるもので、毎年、州の気候法に沿った軌道で削減されていくことになる。

【参照ページ】
(原文)GOVERNOR HOCHUL ANNOUNCES HIGHLIGHTS OF HISTORIC FY 2024 STATE BUDGET
(日本語訳)ホーチョル知事、歴史的な2024年度州予算のハイライトを発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-6

    CDPとTNFD、2025年質問票の対応マッピングを公開

    10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対…
  2. 2025-11-6

    ISSB、国際的なサステナビリティ開示の「グローバル・パスポート」構想を発表

    10月30日、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、ロンドンで開催された「IFRSサステナ…
  3. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-5

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    ※2025年11月4日公開済みの記事にTNFDが発行した「Nature in transition…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る