オーストラリア規制当局、Future Superにグリーンウォッシュを警告

 

5月2日、オーストラリアの企業・市場・金融サービス規制機関であるオーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、スーパーアニュエーションファンドを推進するFuture Superがソーシャルメディア上の投稿で行ったグリーンウォッシュの疑いで、侵害通知を発行したことを発表した。

ASICによると、Future Superによる「”Naysayers don’t join together and move nearly $400 million out of fossil fuels”」というFacebookの投稿は、運用資産額約4億ドル(約544億円)の同ファンドが、当初すべての資金が化石燃料に投資されていたことを示唆し、環境への影響を誇張していた可能性がある。

今回の侵害通知は、昨年、ASICのJoseph Longo委員長が、投資ファンドや金融商品の提供者に対して、規制当局が誤解を招くような持続可能性の主張に注意を払っており、ファンドマネージャーや発行者がグリーンウォッシュを排除するためのガイダンスを提供していると警告する声明を発表したことを受けたものである。

ASICは2月、Marsh McLennanのMercer Superannuationに対し、持続可能な投資オプションの一部について虚偽の主張を行ったとして、初のグリーンウォッシング裁判を起こし、またバンガード投資法人オーストラリアやブラック・マウンテン・エナジーなど複数の企業や投資会社に対し、グリーンウォッシングの疑いに対する懸念から侵害通知を行っている。

【関連記事】ASIC、Mercerを提訴 グリーンウォッシュの取り締まりを開始

サステナブルファイナンス市場の成長を支援することを目的とした一連の政府の取り組みの一環として、オーストラリアのJim Chalmers財務相は先月、グリーンウォッシュを取り締まるための監視・執行機能を拡充するため、ASICに400万ドル(約5億円)以上の資金を提供すると発表している。

【参照ページ】
(参考記事)ASIC hits Future Super over greenwashing

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. コーポレートガバナンスの重要性と課題:国内での透明な開示対応

    2024-10-16

    コーポレートガバナンスの重要性と課題:国内での透明な開示対応

    コーポレートガバナンスとは、企業が持続可能な成長を遂げるための管理体制や仕組みを指す。透明で公正な…
  2. お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    2024-10-15

    お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    ESG Journalでは、実務に役立つ資料やツールを無料で公開しています。今回は、大好評の「開示…
  3. 環境省

    2024-10-15

    環境省、「プラスチック資源循環におけるマスバランス方式の基本的考え方」を発表

    9月26日、環境省は「プラスチック資源循環におけるマスバランス方式の活用に関する基本的な考え方」を…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る