4月25日、自動車産業のリーディングパートナーであるヘンケルは、熱暴走の際にバッテリーハウジングを熱や火災から保護するよう設計された2つの新たな保護コーティング製品、 Loctite EA 9400とLoctite FPC 5060を発表した。バッテリーパックに塗布することで、火災の拡大を抑制・遅延させ、車両から避難する際に搭乗者を保護することができる。また、効率的で費用対効果の高い塗布プロセスにより、メーカーは安全性を犠牲にすることなく、バッテリー生産の最適化を継続することができる。
EVの普及と技術革新が加速する中、OEMやEVバッテリーメーカーは、より効率的にバッテリーを大規模に製造する方法の開発に取り組んでいる。同時に、事故や火災の際に車載バッテリーが最高の安全性を提供できるよう、防火対策は依然として重要だ。火災の拡大を遅らせるEVバッテリーの安全技術がかつてないほど不可欠になっている。
機械的、熱的、電気的な事故によるものであれ、熱暴走はバッテリーセルが加熱状態になり、発火して近隣のセルに燃え広がることで起こる。バッテリーセーフティソリューションは、このような事象を低減または減速させることで、車両の避難時間を増加させることができる。この時間枠は、ますます規制の対象となってきている。中国はすでに必要な時間枠を規定する規制を制定しており、EVの安全性に関する規制の枠組みが進化するにつれて、他の市場も順次追随していくと予想される。
OEM やEVバッテリーメーカーは、大規模な自動生産をサポートし、法的規制に対して有利な効率的ソリューションを見つけることが課題となっている。
自動化された大量生産用に設計されたLoctite EA 9400とLoctite FPC 5060は、「スプレー」または「フラットストリーム」のいずれかで塗布でき、どちらも一般的な自動ディスペンサーシステムと互換性がある。ヘンケルのサステナビリティへのコミットメントに基づき、Loctite 9400とLoctite FPC 5060はどちらも室温で硬化するため、エネルギー消費と排出の削減に貢献する。
Loctite EA9400は、バッテリーパックの筐体向けに開発された2液型のアクティブ難燃性エポキシ系防火被覆材だ。本製品はバッテリーに重量を与えないように薄く塗布できるように設計されている。 Loctite EA9400は発泡特性と耐環境性に優れた強靭な処方により、電池パックの筐体の内側と外側の両方に塗布することができ、汎用性に優れている。また、軽量で熱対策にもなり、電池ボックスの腐食も防止する。
Loctite FPC 5060は、バッテリーパックのハウジング用に開発された一液型の水性無機材料で、炎にさらされても煙やガスが発生しないのが特徴。 有害化学物質を含まない独自の無機質処方により、火災時に煙やガス、カーボンを発生させず、乗客の安全をより一層確保する。
【参照ページ】
(原文)Henkel launches new fire protection solutions for safer EV batteries
(日本語訳)ヘンケル、より安全なEVバッテリーのための新しい防火ソリューションを発表