12月15日、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は、サーキュラーエコノミー型の建築物を実現するためのフレームワークに関するレポートを発表した。
サーキュラーエコノミーとは、持続可能性、資源効率、気候変動の緩和を実現するための重要な手段である。循環型指標に関する透明性と整合性は、循環型に関する戦略の策定と進捗の測定を目指す業界と政府間で共通言語を確立するために極めて重要である。特に建築環境においては、廃棄物や汚染を排除し、製品や材料を使い続け、自然システムを再生するという循環型経済の原則を実施・採用することで、システム全体の脱炭素化を支援し、バリューチェーン内の連携を向上させることが可能になる。
本レポートでは、建物の循環性を測定するための主な検討事項をまとめている。WBCSDのメンバー企業との6ヶ月に及ぶ共同研究を通じて開発されたもので、建築環境のバリューチェーンにおいて、建築物の循環性を測定するための重要な検討事項を整理することを目的としている。
建築物における循環型社会の計測の複雑さを軽減するために、まず、スタッフ、スペースプラン、サービス、構造、スキン、サイト、ソーシャルなど、さまざまな建築物のレイヤーを分析することから始める必要がある。さらに、ELPM(Element、Layers、Products、Materials)のような一貫した用語を使用することも重要である。
また、寿命延長、取り外し可能性、適応性、柔軟性などの循環原則は、建築物の設計段階を通じて考慮されるべきである。循環的な流入と流出を測定することで、材料の種類、再利用やリサイクルされた材料の割合などの監視が重要となる。この点については、ベンチマーク基準やKPIを設定し、必要に応じて改善することが求められる。
本論文で示された結果は、建築物の循環型社会構築のための更なる研究の基礎となるものである。WBCSDは2023年2月24日までパブリックコメントを募集する。