UNEPとエレン・マッカーサー財団、プラシックの循環に関する「グローバル・コミットメント2021進捗報告書」を発表

11月16日、 国連環境計画(UNEP)と エレン・マッカーサー財団は、「新プラスチック経済グローバル・コミットメント」を発表してから3年が経過したため、「グローバル・コミットメント2021進捗報告書」を発表した。この報告書では、世界で生産されるプラスチックパッケージ全体の20%を占める企業が、プラスチックの循環型経済を実現するための2025年の目標に向けてどのように進捗しているかを報告している。

このデータによると、グローバルコミットメントのブランドおよび小売業者は、2年連続でパッケージに使用されるバージンプラスチックの消費量を削減している。この傾向は、2025年までに2018年と比較してバージンプラスチックの使用量を絶対値で約20%削減するという新たなコミットメントによって加速される。2021年には、グローバルコミットメントに署名している63のブランドおよび小売企業すべてに、削減目標の設定が義務付けられる。既存のコミットメントの影響と合わせると、このレベルまで野心を高めることで、2025年までに年間800万トンのバージンプラスチックの生産を回避できると推定される。

このようなバージンプラスチックの削減は歓迎すべき傾向だが、現在および計画中の進展は、バージンプラスチックから再生プラスチックへの切り替えが主な要因となっている。これは解決策の一部に過ぎず、市場に出回っているプラスチックパッケージの総量に対応するものではない。

報告書では使い捨てパッケージの必要性を減らすための野心的な取り組みの証拠はほとんどないとしており、加盟国のプラスチックパッケージのうち再利用可能なものは2%未満、また半数以上の加盟国では0%であることからも、使い捨てパッケージをなくすことに早急に力を注がなければならないと述べている。

【参照ページ】
(原文)Global Commitment 2021 Progress Report shows use of virgin plastic has peaked for signatories
(日本語訳)UNEPとエレン・マッカーサー財団、「グローバル・コミットメント2021進捗報告書」を発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. 2025-7-9

    ISSB、SASB基準の包括的見直し案を公表

    7月3日、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、SASB基準の改訂案およびIFRS S2実…
  3. 2025-7-8

    欧州198団体がサステナブルファイナンス規制の骨格維持を要請

    7月1日、欧州持続可能投資フォーラム(Eurosif)を含む198の投資家・企業団体は、EUのサス…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る