4月24日、ロクシタングループは、2050年までにバリューチェーン全体でネット・ゼロ・エミッションを達成するという目標を含む、気候変動目標達成のための目標や取り組みのロードマップをまとめた「気候戦略」を発表した。
ロクシタン・グループの気候変動目標は、Science Based Targets initiative(SBTi)により検証されており、会社の直接およびエネルギー使用(Scope1および2)排出を対象とした目標が含まれている。具体的には、2031年までにScope1排出を46%削減、2026年までに工場、倉庫、店舗、オフィス全体で100%再生可能エネルギーを調達、2050年までにScope1および2全体の排出を90%削減することなどが含まれる。
ロクシタンのカーボンフットプリントの約95%はバリューチェーン活動、つまりScope3からの排出である。その約半分は製品の使用段階から発生しており、その他の主な排出源は製品の輸送、原材料や成分、包装など。同社は、2050年までにScope3の排出強度を97%削減することを約束している。
Scope3の影響に対処するための取り組みとしては、生態系の転換や森林破壊につながらないよう植物由来の原材料のトレーサビリティを強化し、再生農法やアグロフォレストリーを支援するなど、製品の低炭素材料の調達を改善する活動、エコデザインによる製品の変革、パッケージへのリサイクル素材や低炭素素材の使用、エコリフィルや店頭のバルクディスペンサーなど持続可能なパッケージの開発などがある。
物流活動やサプライヤーについては、グリーンサプライチェーンポリシーを策定し、より排出量の少ない輸送方法の使用を増やすためのロードマップに関係者が参加し、2030年までに航空貨物ゼロを達成する目標を掲げている。
ロクシタンのロードマップでは、製品の使用による排出を対象としたいくつかの取り組みが明らかにされている。同社は、すすぎやすい製品やすすぎ不要の製品の開発、製品をすすぐ際のお湯の消費を抑えるよう消費者を説得するキャンペーンの導入、より効率の良い機器の普及、製品やパッケージのリサイクルや再利用を促進する方針である。また、ロクシタンは、家庭での日常的な使用における水とエネルギーの使用を制限するソリューションの開発を目標とする「50L Home」連合に参加したことを発表した。
ロクシタンはまた、2031年までに残留するScope1、2、3の排出量を100%中和することを約束した。ロードマップでは、価値の高い生態系の保全と再生プログラム、森林再生、再生農業プロジェクト、農村エネルギープロジェクト、森林や海洋などの自然の炭素吸収源による炭素隔離に貢献するプロジェクトなど、認証された自然ベースのソリューションへの投資を強調している。
【参照ページ】
(原文)Climate Strategy: the L’OCCITANE Group announces its net-zero roadmap
(日本語参考訳)気候戦略:L’OCCITANEグループ、ネットゼロのロードマップを発表