2月24日、ワイオミング州議会で、政府機関が銀行や投資家、ESG関連の様々な理由で他社との取引を制限する企業と取引することを制限する規則と、州資金を運用する投資マネージャーによるESG基準の考慮を排除することを目的とした2つの反ESG法案の提案が否決された。
Stop ESG-Eliminate Economic Boycott Actは、政府機関が企業と契約を結ぶ前に、その企業が環境基準を満たさない、気候データを開示しないなど様々な理由で他の企業に対して何らかの行動を起こすことを含む「経済ボイコット」を行わないことを保証する文書を企業から受け取ることを義務づけるものであった。
「Stop ESG-State Funds Fiduciary Duty Act」は、州政府のファンドの投資マネージャーに関する規則をまとめたもので、「財務的要因のみ」を考慮したマネージャーのみの雇用と維持を義務付け、排出削減や排出量の開示などのESG要因や、銃器の製造・販売企業への投資制限などの要因を考慮しないように事実上定めているものだ。
この提案は、ワイオミング州下院歳入委員会で否決され、全会一致で両法案の不成立を勧告された。公聴会でのコメントでは、この措置により、投資マネージャーの受託者責任の遂行能力が損なわれることに加え、多くのエネルギー企業を含む極めて広範な企業への投資が制限され、州の投資能力が損なわれるとの懸念が示された。
このほか、幅広い資産運用会社へのアクセスを制限することによるコスト面での懸念もあった。
ワイオミング州の決定は、ノースダコタ州で90対3で反対された「エネルギー企業のボイコットに従事する」金融機関を対象とした法案や、インディアナ州の分析によると、公的年金制度がESG要素を考慮したファンドからの売却を義務付ける規則は、10年間で約70億ドル(約9,532億円)の利益を失うと判明するなど、共和党寄りのいくつかの州で反ESGイニシアティブに挑戦する一連の動きを追認したものである。
【参考ページ】
(原文)Bills against ESG face upward battle in the House
(日本語参考訳)ESGに反対する法案が下院で上方修正に直面