2月4日、米国証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は、CNBCのインタビューで、長らく待ち望まれていた上場企業の気候リスク開示ルールについて、いくつかの調整を検討していることを明らかにした。
ゲンスラー氏はインタビューの中で、すでに気候変動に関する情報開示に基づいて投資を行っている投資家を保護するために、新規則の重要性を強調した。
SECは2022年3月に気候変動開示規則案を発表し、米国企業に対して、自社の事業が直面する気候リスクとそのリスクへの対応計画に関する情報を、企業の事業上の気候フットプリントや、場合によってはバリューチェーン全体に発せられる排出量を詳述した指標とともに提供するよう求めている。更新された規則は、4月に発表される予定だ。
本規則案には多くの意見が寄せられており、ゲンスラー氏は委員会が受け取った約15,000件の意見に注目している。
今回の提案の中で、SECが受け取ったフィードバックの中で大きな注目を集めたと思われる2つの主要論点は、気候変動コストが財務諸表項目の1%以上を占める場合に報告を義務付けるルールと、企業が直接管理できないバリューチェーンにおける排出量(Scope3排出量)について報告を義務付けるケースがあることである。
これらの要求事項に対する批判としては、これらの開示を行うための高いコスト、いくつかのケースでは重要性の低さが指摘され、正確な情報を提供する能力への懸念が挙げられている。
【参考ページ】
(原文)SEC’s Gensler weighs scaling back climate rule as lawsuits loom
(日本語参考訳)SECのゲンスラー氏、訴訟が迫る中、気候変動規制の縮小を検討