2月13日、フランスの金融市場規制機関である金融庁(AMF)は、欧州における持続可能な投資およびESG投資商品の提供者は、ESGアプローチに従い、特定の環境基準を満たす商品を提供することを求められるべきだという一連の提案を発表した。
AMFの提案は、2023年1月に施行されたEUの持続可能金融情報開示規則(SFDR)に基づき、第8条および第9条のファンドの提供者に対して、より厳しい要件を追加することを目的としている。
EUのSFDRは、持続可能な成長のための資金調達に関するEUの行動計画の一部を構成している。同規則は、投資家やアドバイザーを含む金融市場参加者に対し、金融商品に関する持続可能性リスクの統合と持続可能性への悪影響の考慮に関する透明性と持続可能性関連情報の提供に関する調和された規則を定めている。
本規制には、持続可能性に焦点を当てた投資ファンドの分類レベルが含まれており、「環境または社会的特性、あるいはそれらの組み合わせを促進する」第8条ファンドと、「持続可能な投資を目的とする」より厳格な第9条ファンドがある。
しかし、AMFが発表した新しいポジションペーパーでは、SFDRが、Article 8および9の金融商品について環境影響の最低要件を定めていないことや、「持続可能な投資」の概念を十分に定義していないことにより、「投資家が表明する合理的な期待と実務の実態との間にギャップが生じており」「グリーンウォッシュ」を助長していると主張している。
これらの問題に対処するため、AMFの新しい提案には、8条および9条商品の最低環境基準(9条はより厳しい)を設定し、その遵守は国の監督に委ねること、9条ファンドのポートフォリオ資産のうちEUタクソノミに沿った最小割合(時間とともに増加すべき)を概説し、8条および9条ファンドを運用する金融市場参加者が投資プロセスにおいて拘束力があり受容可能なESGアプローチを採用することを義務付けること、が含まれている。
また、AMFの提案では、9条ファンドはEUタクソノミに沿わない化石燃料活動への投資を排除するよう求め、8条ファンドにはこれらの投資に対する厳しい条件を設けるとしている。
提案に加え、ポジションペーパーには、8条と9条の商品提供者に求められるエンゲージメントポリシー、投資決定による原則的悪影響(PAI)の報告、”移行資産 “で構成することができる資産の割合など、政策立案者への検討事項の提案も含まれている。
【参考ページ】
(原文)French regulator AMF calls for tougher ESG fund standards
(日本語参考訳)フランスの規制当局AMFがESGファンドの基準を厳しくするよう要請