INEOS、約1,957億円を調達し、ゼロ・カーボンフットプリントを実現する化学工場を建設

INEOS、約1,957億円を調達し、ゼロ・カーボンフットプリントを実現する化学工場を建設

2月13日、化学企業のINEOSは、「ヨーロッパで最も環境に優しいクラッカー」と呼ばれ、水素を燃料とすることで二酸化炭素排出量ゼロを実現する「 Project ONE 」の建設と操業のために、35億ユーロ(約1,957億円)の資金を確保したことを発表した。

本プロジェクトは、年間1450ktのエチレン生産能力を見込んでおり、欧州の化学分野への投資としては過去20年間で最大規模となる。

アントワープにある Project ONEは、エタンをプラスチック、断熱材、繊維、包装材などの用途に使われる原料であるエチレンに変換するクラッカーで構成されている。クラッキングは、大きな分子を非常に高温で小さな分子に分解するもので、通常、化石燃料源から大量のエネルギーを使用する。

INEOSによると、Project ONEはヨーロッパで最もエネルギー効率の高い生産拠点となり、二酸化炭素排出量はヨーロッパの平均的な蒸気クラッカーの3倍、ヨーロッパのベストパフォーマンス10%の半分以下となる。

さらに、本プラントは、低炭素水素のみで操業できるように建設されており、炭素回収施設のためのスペースも確保されている。INEOSは、低炭素水素が十分に利用できるようになれば、このクラッカーの二酸化炭素排出量はゼロになると述べている。

今回発表された資金調達には、15億ユーロ(約2,124億円)の無担保債務、輸出信用機関UKEF、Cesce、SACEからの12億ユーロ(約1,700億円)の担保付ファシリティ、および8億ユーロ(約1,133億円)の担保付トランシェが含まれている。本取引は、21の商業銀行からなるコンソーシアムによって支援された。

【参照ページ】
(原文)INEOS Secures €3.5 billion financing for project one – The greenest cracker in Europe.
(日本語参考訳)INEOS、約1,957億円を調達し、ゼロ・カーボンフットプリントを実現する化学工場を建設

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