
8月1日、スペインの金融大手BBVAは2025年上半期(1~6月)のサステナブル事業への投融資額が約630億ユーロ(約10兆円)に達し、前年同期比で48%増加したと発表した。企業の脱炭素化や社会課題解決への資金供給が急加速している。特に第2四半期(4~6月)の投融資額は300億ユーロを超え、四半期ベースで過去最高を記録した。
金融機関によるサステナブルファイナンスは世界的に拡大しており、BBVAの動きは欧州の主要銀行がこの分野に注力している現状を浮き彫りにした形だ。
上半期の投融資額の内訳を見ると、全体の76%が再生可能エネルギーや水資源の効率利用、循環型経済など、気候変動や自然資本に関連するプロジェクトに振り向けられた。残りの24%は、社会インフラや教育、医療、起業家支援といった社会貢献分野が占めた。
事業部門別では、法人・投資銀行部門が319億ユーロ(前年同期比34%増)と最も大きく、クリーン技術や再生可能エネルギー事業への融資を牽引した。商業銀行部門も236億ユーロ(同53%増)と大きく伸び、特にメキシコの農業分野への融資が貢献したという。
注目すべきは個人向け(リテール)部門の伸びで、投融資額は約75億ユーロと前年同期比で119%増と倍以上に拡大した。電気自動車(EV)やハイブリッド車へのローン(約7億4200万ユーロ)や、顧客が省エネ効果を試算できるデジタルツールの提供などが急増を後押しした。
BBVAは、2018年から2025年までに3000億ユーロを投融資する目標を掲げていたが、予定より1年早い2024年末に達成。現在は、2025年から2029年までの5年間で7000億ユーロを供給するという、さらに意欲的な新目標を設定している。
同行は2050年までの投融資ポートフォリオのネットゼロ達成に向けた移行計画も進めており、石油・ガスや電力、自動車など10セクターで2030年までの中間削減目標を定めている。最近では、イベリア半島で再生可能エネルギー由来の水素製造プラントへの初のプロジェクトファイナンスを実行するなど、脱炭素化に向けた具体的な取り組みを強化している。
(原文)BBVA channels €63 billion into sustainable business in the first half of 2025 (+48% year-on-year)
(日本語参考訳)BBVAは2025年上半期に630億ユーロを持続可能な事業に投入(前年比48%増)