MUFG、旺盛な需要で2030年のサステナブル・ファイナンス目標を3倍の100兆円に引き上げ

4月1日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、2030年のサステナブル・ファイナンスの目標を従来の35兆円から約3倍の100兆円に引き上げるとともに、気候変動リスクなどのサステナビリティ・リスクをグループ全体で管理するサステナビリティ・リスク室を新設するなど、サステナビリティ関連の一連の取り組みを発表した。

新たな目標と取り組みは、MUFGの今後3年間の中期経営計画(MTBP)の発表の一環として発表された。新中期経営計画では、社会・環境問題への取り組みをMUFGの3本柱の1つに定め、MUFGの経営戦略に統合することを目指している。

MUFGは2019年に初のサステナブル・ファイナンス目標を設定し、2019年から2030年の間に、融資、投資、引受、財務アドバイザリーサービスを含むサステナブル・ファイナンスを累計20兆円提供することを目標としていた。MUFGは2021年に目標を35兆円に引き上げたが、今回の目標は2度目の改定となる。MUFGが新たに発表した「気候報告書」によると、2030年までに100兆円(うち50兆円は環境問題への取り組み)を達成するという新たな目標は、「着実な進展と資金需要の増加によるもの」だという。

気候報告書はまた、MUFGが2023年末時点で28兆円の目標を達成し、すでに旧目標に近づいていることを指摘している。

MUFGによると、同行の新しいサステナビリティ・リスク・オフィスは、グループのチーフ・リスク・オフィサーに直属し、グループ全体のサステナビリティ関連リスクを管理する「第二の防衛組織」として機能する。

MUFGはまた、環境方針声明に気候変動、自然資本、循環型経済、人権尊重に統合的に取り組む必要性を追加すること、人権方針声明に気候変動、自然資本の喪失、AIが人権に及ぼす潜在的影響と人権デュー・ディリジェンスに関する新たな方針を盛り込むこと、人的資本管理に関する方針を策定・更新することなど、サステナビリティ関連の一連の改定とフレームワークの更新を発表した。

【参照ページ】
(原文)Publication of the MUFG Climate Report 2024 and the MUFG TNFD Report 2024, and Other Sustainability-related Initiatives

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る