3月28日、サウスウエスト航空は、農業残渣から持続可能な航空燃料の生産を拡大することを目的とした米国エネルギー省(DOE)の支援プロジェクトであるSAFFiRE Renewablesを買収したと発表した。
この買収は、先月サウスウエスト航空がサウスウエスト航空リニューアブル・ベンチャーズ(Southwest Airlines Renewable Ventures:SARV)を立ち上げたことに続くもので、同航空の持続可能な航空燃料(SAF)への投資を管理し、同社のクリーン燃料の目標達成のためにSAFを入手する機会を創出する役割を担う新しい子会社である。サウスウエスト航空は、2030年までにジェット燃料消費量の10%をSAFに置き換えるという目標を掲げている。
サウスウエスト航空は2022年にSAFFiREに最初の投資を行い、同社は現在、サウスウエスト航空リニューアブル・ベンチャーズの投資ポートフォリオの一部を構成している。
ノースダコタ州を拠点とするSAFFiRE(Sustainable Aviation Fuel From Renewable Ethanol)は、エタノール技術企業のD3MAXによって設立され、先進バイオ燃料技術の開発を通じて輸送ベースの排出量削減を目指すプロジェクトの一環として、米国エネルギー省(DOE)の支援を受けている。
SAFは通常、廃油や農業残渣などの持続可能な資源から生産される。SAFFiREは、DOEの国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が開発した技術を利用し、再生可能なエタノールを生成する。トウモロコシの茎葉は、米国では毎年約4億トンの収穫後の残渣があり、広く利用可能な廃棄物原料である。
SAFFiREによると、この技術を使って製造されたSAFは、化石燃料に比べてライフサイクルでの温室効果ガス(GHG)排出量を最大84%削減できるという。
サウスウエストによる買収後、SAFFiREは、DOEの国立再生可能エネルギー研究所(NREL)から独占的にライセンスを受けた技術を利用し、再生可能エタノールを生産するために1日当たり10トンのトウモロコシの茎葉を処理するパイロットプラントを開発し、プロジェクトの新たな段階に進む見込みである。このエタノールは、持続可能な航空燃料技術企業であるランザジェットによってSAFに変換される予定である。サウスウエストは3月にランザジェットへの投資を発表しており、ランザジェットもSARVのポートフォリオの一部を構成している。
【参照ページ】
(原文)Southwest Airlines Acquires SAFFiRE Renewables and Strengthens Focus on Sustainability
(日本語参考訳)サウスウエスト航空、SAFFiRE Renewables社を買収し、持続可能性への取り組みを強化