10月29日、世界の航空会社10社は、航空業界における二酸化炭素排出量削減という課題に取り組むことを目的とした、新しい非営利連合体「Aviation Climate Taskforce(ACT)」の設立を発表した。
ACTの設立メンバーには、エア・カナダ、エールフランス-KLMオランダ航空、アメリカン航空、キャセイパシフィック航空、デルタ航空、ジェットブルー、ルフトハンザ、サウスウエスト航空、ユナイテッド航空、ヴァージン・アトランティック航空が名を連ねており、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)と共同で設立された。
航空業界は、温室効果ガス(GHG)の重要な排出源として注目されている。世界の排出量の2〜3%を占めており、何も対策を講じなければ、今後数十年間でこの数字は劇的に増加する可能性があります。航空機の効率化、持続可能な航空燃料(SAF)の開発、電気や水素を利用した低炭素またはゼロカーボン推進システムを採用した航空機の開発など、航空業界の気候変動への影響に対処するためのさまざまな取り組みが行われている。
ACTは主に、合成燃料の開発や空気の直接取り込みの利用など、中期的に重要な解決策に焦点を当てる。将来的には、バイオベースのSAFなどの短期的な解決策や、水素技術などの長期的な解決策にもポートフォリオを拡大していく予定だ。
組織のミッションは、イノベーション・ネットワークとコラボレーション・フォーラムという2つの柱によって支えられている。イノベーション・ネットワークは、初期段階の研究に焦点を当てて技術的なブレークスルーを加速することを目的としており、新しいパターンのコラボレーションや研究を刺激するためのイノベーション・チャレンジを開催する予定だ。コラボレーション・フォーラムは、イノベーション・ネットワークをサポートし、共同で二酸化炭素排出量を削減する他の方法を検討する。
今後ACTは、航空輸送の二酸化炭素排出量を削減する可能性のある新技術を迅速にスケールアップするための資金を提供する投資ファンドの設立を目指する。短期的には、これらの技術の中から重点分野を選び、イノベーション・ネットワークを立ち上げることに集中する。
【参照ページ】
(原文)Southwest Airlines Joins New Aviation Climate Taskforce
(日本語訳)世界の航空会社、航空機の脱炭素化ソリューション開発のための連合を設立