世界的なクルーズバケーション企業であるロイヤル・カリビアン・グループは、2050年までに排出量がネット・ゼロになることを目指す包括的な脱炭素戦略である「Destination to net Zero」を発表した。この戦略には、2035年までに排出量ネット・ゼロのクルーズ船を提供するという野心も含まれている。
同社の脱炭素戦略は、船隊の近代化、省エネ技術などのエネルギー効率化プログラムへの投資、データシステムの強化とデジタル化、代替燃料と代替電力ソリューションの開発、戦略的な陸上サプライチェーンの展開など、いくつかの重要な柱に焦点を当てている。
ネット・ゼロ・クルーズシップの野望を発表したロイヤル・カリビアン社は、船体設計の最適化やACチラーなどのシステムアップグレードによる大幅なエネルギー消費量の削減、各世代の船の効率を前世代より20~25%向上させるなどの取り組みを行い、船隊の環境への影響を積極的に改善してきたことに言及している。最近では、「プロジェクト・エボリューション」を導入し、2023年に水素燃料電池と液化天然ガスを組み合わせて動力源とするクルーズ業界初の客船を就航させる計画を立てている。
この新戦略の一環として、18〜24ヶ月かけて、Science Based Targets initiative(SBTi)で検証される目標を策定する予定であると述べており、これはクルーズ業界では初の試みとなる。
【参照ページ】
(原文)Royal Caribbean Group Announces “Destination Net Zero” — Program to Achieve Net Zero Emissions by 2050
(日本語訳)ロイヤル・カリビアン、2035年までにネット・ゼロのクルーズ船の実現を目指す