欧州中央銀行、社債ポートフォリオの気候変動対策銘柄への傾斜を強化

ECB、社債ポートフォリオの気候変動対策銘柄への傾斜を強化

2月2日、欧州中央銀行(ECB)は、ユーロシステムの3440億ユーロ(約48.9兆円)の社債ポートフォリオの脱炭素化を支援するため、社債購入の比率を気候変動に強い発行体に集中させることを発表した。

ECBは、今後数ヶ月の間に資産購入プログラムの保有額を削減する計画の詳細の一部として、より強いグリーン「ティルト」を明らかにした。

この計画は、満期を迎える証券の元本を部分的に再投資することで実施される。ECBは、「部分再投資の期間中、気候のパフォーマンスがより良い発行体に向けて社債購入の傾斜を強めることを決定した」と述べている。

さらに、ECBは、プライマリー市場での証券の買い取りを段階的に縮小するとしながらも、より優れた気候パフォーマンスを持つ企業の発行体やグリーン社債のプライマリー市場での買い取りは継続するとしている。

ECBは2022年7月、金融政策の枠組みに気候変動への配慮を取り入れ始めると発表し、保有する社債のポートフォリオを時間をかけて脱炭素化することや、担保に気候変動関連の開示要件を導入するなどの措置を講じた。9月には、中央銀行が今後の債券購入の判断に組み込む気候スコアを導入し、10月にはECBの社債ポートフォリオをより気候変動のパフォーマンスが高いものに傾斜させるプロセスを開始した。

【参照ページ】
(原文)Monetary policy decisions
(日本語参考訳)金融政策の決定

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【PR】10/28   サステナビリティパフォーマンスを重視した情報開示

    2025-10-14

    【PR】10/28 サステナビリティパフォーマンスを重視した情報開示

    ISS ESG評価の視点と実務対応の最前線 ISSコーポレート・ソリューションズ(I…
  2. 2025-10-8

    欧州委員会、サステナビリティ報告関連法規(第三国ESRS)の制定を延期へ

    10月6日、欧州委員会は金融サービス分野における115の「重要ではない2次法(regulatory…
  3. SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    2025-10-7

    SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    サステナビリティ情報開示の質を高めることは、今や重要な経営課題である。単なる開示義務の遵守ではなく…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る