Enel、世界で初、サーキュラー・エコノミー指標を発表

Enel、世界で初、循環型社会指標を発表

1月19日、Enelはダボスで開催された世界経済フォーラムで「Economic CirculAbility」を発表した。本指標は、経済パフォーマンスと資源消費量全体を比較して、グループの循環性を測定する新しい重要業績評価指標(KPI)である。

Enelは2030年までに本指標を2020年比で2倍にすることを誓約しており、Enelは循環性指標を採用し野心的な目標を設定した世界初の企業となった。

本指標は、グループ全体のEBITDA(単位:ユーロ)を考慮し、様々な事業活動によってバリューチェーン全体で消費された燃料や原材料などの資源量(単位:トン)と比較する。Enelは本指標に関して、2030年までに2020年比で2倍のパフォーマンスを達成することを約束している。これはEBITDAの発生額に対して半分の量の資源を消費することを意味する。

本指標と2030年の目標は、ダボス会議において、約100の企業、公的機関、団体が参加し、循環型経済モデルへの移行を加速するために世界経済フォーラムで設立された官民協力のためのグローバルプラットフォーム「循環型経済加速プラットフォーム」(PACE)が実施する「企業循環目標設定」イニシアティブの一環として開催されたパネルの中で発表された。

Enelが循環型経済が戦略的推進力となりうることを認識し始めた2015年以降、循環性の測定はEnelの循環型戦略を実施する上で重要な鍵となっている。特に、Enelはグループ全体で定量的なKPIを特定し採用することに関して、常に先駆的な企業であり、事業活動と資源消費を切り離すという点で、サーキュラリティへの移行を明確に反映している。

2030年までに循環型社会への移行を2倍にするというEnelの公約は、サプライヤーとの「循環型調達」やEnel Xが顧客向けに開発した循環型社会の指標といった取り組みとともに、循環型ビジネスモデルへの移行という戦略を支える指標の開発に取り組んでいることに沿うものである。

【参照ページ】
(原文)Enel, the world’s first company to launch a circularity index with the aim of doubling it by 2030

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