JICA、インドネシア国営電力公社とエネルギー・トランジション分野で協力
11月1日、国際協力機構(JICA)とインドネシア国営電力公社(PLN)は、本年インドネシアが議長であるG20の一環として2022年11月1日にバリ島で開催されたPLN主催のイベント「Energy Transition Day」にて、業務連携協力に関する覚書を締結した。
本覚書は、インドネシアの脱炭素に向けた電力分野でのエネルギー・トランジションにかかるJICAとPLNの包括的な協力の強化を目的としている。
2016年10月にパリ協定を批准したインドネシア政府は、2021年7月UNFCCCへのNDC(Nationally Determined Contribution)提出に続き、2022年9月にはさらに脱炭素化を促進するNDC(Enhanced NDC)を提出している。この脱炭素目標の達成と同時に、安定的で誰もが利用でき、持続可能な電力供給を実現するため、JICAは、従来の再生可能エネルギー支援に加え、今後の技術革新が期待されるアンモニアや水素混焼等も選択肢に入れた「Multi-Pathway Approach」による、インドネシアのエネルギー・トランジションを支援していくと述べている。
JICAはこれまでに、水力発電所や地熱発電所などの再生可能エネルギーによる電源開発を支援する一方で、2021年度にはPLN向けに、アンモニアや水素混焼、CCS等の最新技術を含めた脱炭素ロードマップの策定を支援した。
今回の連携協力覚書では、PLNの脱炭素の取り組みを更に進めるため、将来の電力需要予測、及び再生可能エネルギー導入に伴い必要となる電力系統の安定化に係る調査をJICAが実施することで合意した。当該調査を通じて得られる情報は、今後のPLNによる脱炭素推進方針策定への活用が期待される。
同覚書では、更に将来的な案件として、PLNに対する専門家派遣によるPLN職員の能力強化や、既設の火力発電所の脱炭素化に係るマスタープランの策定などについて、今後両者間で協議していくことになっている。このような協力を通じて、JICAは引き続きインドネシアにおけるエナジー・トランジッションの取組を支援していくという。
【参照ページ】
JICAとインドネシア国営電力公社が連携協力覚書を締結:「Multi-Pathway Approach」による、エネルギー・トランジション分野での協力