1月18日、脱炭素セメントに特化した技術開発企業であるSublime Systemsは、同社の成長と低炭素セメントの大規模生産の支援を目的として、4,000万ドル(約51億円)を調達したことを発表した。
2020年にMITからスピンアウトしたSublimeは、電解槽を利用して常温でセメントを製造する独自のプロセスを開発した。エネルギーと化石燃料を大量に消費するキルンに代わって、カルシウム源を投入材料として使用できるため、石灰石から排出されるCO2を回避することが可能である。
セメント生産は、世界の温室効果ガス排出の大きな要因であり、脱炭素化がより困難なセクターの一つである。セメントは現在、世界の二酸化炭素排出量の約8%を占め、1,000kgの原料を生産するごとに900kg以上の二酸化炭素が排出されている。
これまでのセメントの脱炭素化では、二酸化炭素の回収・隔離が主流だったが、Sublimeの技術は、低固有化二酸化炭素と低固有化エネルギーの両方を持つセメントを製造できる。
Sublimeは、今回の資金調達により、パイロットプラントでの生産増強、チーム編成、製品テストの実施、新規顧客やパートナーからの引き受けの約束を進めていくという。
今回のシリーズA資金調達ラウンドは、気候技術に特化したファンドLowercarbon Capitalが主導し、The Engine、Energy Impact Partnersなどの既存投資家が参加した。また、東南アジア最大のセメントメーカーであるSiam Cement Groupも戦略的投資家として参画している。
【参照ページ】
(原文)Sublime Systems Secures $40 Million Series A to Electrify and Scale Decarbonized Cement Production
(日本語参考訳)脱炭素セメントスタートアップSublime Systems、約51億円の資金調達