11月28日、EU理事会は、企業持続性報告指令(CSRD)の最終承認を発表し、EUにおける企業持続性報告の全面的な見直しと拡大における最後の大きな一歩を踏み出した。
今回の承認と、先日の欧州議会での規則の可決により、立法行為は採択されたことになる。同規則は、従業員500人以上の大規模な公益企業を対象に2024年初頭から適用され、次いで2025年に従業員250人以上または売上高4000万ユーロ(約57.5億円)以上の企業、2026年に中小企業の上場企業に適用される予定である。
CSRDは、現在のEUの持続可能性報告の枠組みである2014年の非財務報告指令(NFRD)を大きく更新することを目的としているという。新規則では、持続可能性の開示を求められる企業数が現在の約12,000社から50,000社以上に大幅に拡大し、企業が環境に与える影響、人権や社会的基準、持続可能性関連のリスクについて、より詳細な報告要件が導入される予定である。
また、EU議会とEU理事会の最近の合意に基づき、本規則は、企業が報告した持続可能性情報を独立監査することを義務付け、EU域外の一部の大企業にも適用される予定である。
CSRDは、欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)という共通の枠組みのもとでの開示を義務付けるもので、今月初めに欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)によって最初の基準群が発表された。新制度のもとで、企業は、環境の持続可能性や社会的権利から人権やガバナンスの要素に至るまで、さまざまな問題について報告することが求められるようになる。
本制度は、EU議会と理事会の議長が署名した後、EU官報に掲載され、20日後に正式に発効し、加盟国は18ヵ月以内に新しい規則を実施することが求められる。
【参照ページ】
(原文)Council gives final green light to corporate sustainability reporting directive
(日本語訳)欧州理事会、企業の持続可能性報告に関する指令を採択