11月28日、物流・海運大手のドイツポストDHL Groupは、サステナビリティリンク債の発行を可能にする「サステナビリティリンクファイナンスフレームワーク」の導入を発表した。
サステナビリティリンク債は、発行体がサステナビリティ目標を達成するためのインセンティブとして、目標に対するパフォーマンスと連動した条件で設計されており、サステナブルファイナンス市場の中で最も急速に成長している分野である。Moody’sの最近のレポートによると、サステナビリティ・リンク債の市場は2021年に10倍に急増し、900億ドル(約12.5兆円)の発行額となった。
新しい枠組みの下でDHLが発行するサステナビリティリンク債は、排出量削減目標に対する同社のパフォーマンスに連動してクーポンが支払われる。具体的には、2021年を基準として、2030年までにスコープ1および2の絶対排出量を42%削減し、燃料およびエネルギー関連活動、上流の輸送および流通、出張によるスコープ3の絶対排出量を25%削減するという約束が盛り込まれている。目標が未達成の場合、DHLは投資家に対してより高い金利を支払うことを要求されることになる。
フレームワークでは、選択されたサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPT)が、サイエンス・ベース・ターゲット・イニシアチブ(SBTi)によって検証・承認されたコミットメントであることに留意している。
本フレームワークは、Sustainalyticsからセカンドパーティオピニオンを取得し、スコープ1と2のSPTを “Highly Ambitious”、スコープ3のSPTを “Ambitious “と評価された。
【参考ページ】
(原文)DHL introduces Sustainability-Linked Finance Framework
(日本語訳)DHL、サステナビリティと連動したファイナンスのフレームワークを導入