リサイクル技術プロバイダーCarbios、アパレル大手4社と繊維産業における循環型社会の推進に向け提携

7月6日、リサイクル技術を提供するCarbiosはOn・Patagonia・PUMA・Salomonのアパレル大手4社と、製品のリサイクル性と循環性を高めるソリューションの開発に関する契約を締結した。

2年間の契約の重要な要素は、繊維業界にとって画期的なCarbiosの独自のバイオリサイクル技術の導入を加速させることである。また、Carbiosと4社は、製品のリサイクル方法の研究、選別・解体技術を含む着用済みポリエステル製品の引き取り方法の開発、繊維間リサイクルや循環型モデルに関するデータ収集も行う予定だ。

4社に共通する課題は、ボトルから繊維へのリサイクルを中心とした従来のリサイクル技術では、持続可能な開発の野心的目標を部分的にしか達成できないことである。今後の規制により、パッケージングや繊維製品の循環型リサイクルがより一層求められる。しかし、食品・飲料業界の循環型生産方式に使用されるため、PETボトルは間もなく不足するというのが市場の共通認識だ。

Carbiosの革新的なプロセスは、アパレル、フットウェア、スポーツウェアに広く使用されているポリエステル(PET)繊維を、単独または他の繊維と一緒にリサイクルするための技術的ブレークスルーを構成するものである。PETポリエステルは繊維産業にとって最も重要な繊維であり、その生産量は52トンで、綿の23トンをも上回っている。バイオリサイクルプロセスは、ポリエステルを選択的に抽出できる酵素を使用し、ポリエステルを回収してバージンファイバーを再生するものだ。この画期的な技術により、従来の技術ではリサイクルできなかった繊維くずの中に含まれるPETポリエステルを回収可能になった。

PETプラスチックや繊維は、ボトルやパッケージ、繊維などの日常消費財の材料として使用されている。現在、ほとんどのPETは化石資源から生産され、その後、無駄の多い直線的なモデルに従って使用・廃棄されている。Carbiosのバイオリサイクル技術は、使用済みのプラスチックや繊維から循環型経済を生み出すことで、持続可能でより責任ある解決策を提供する。

【参照ページ】
(原文)Carbios, On, Patagonia, PUMA and Salomon team up to advance circularity in the textile industry
(日本語訳)Carbios・On・Patagonia・PUMA・Salomon、繊維産業における循環型社会の推進に向け提携

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-2-13

    IFRS財団、新ガイドを発表 気候関連情報の開示を支援

    1月30日、IFRS財団は「IFRS S2に基づく気候関連開示のためのIFRS S1適用ガイド」を…
  2. 2025-2-13

    米国関税措置に対応 日本企業向け相談窓口を開設

    2月2日、日本貿易振興機構(ジェトロ)と経済産業省は、米国の新たな関税措置に対応するため「米国関税…
  3. CSDDDの実践ガイド:ステップを進めるためのヒント集

    2025-2-12

    CSDDDの実践ガイド:ステップを進めるためのヒント集

    2024年7月25日、EUにおいてコーポレート・サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDD…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る