ファイザー、低所得者層12億人に医薬品を非営利で提供

ファイザー、低所得者層12億人に医薬品を非営利で提供

1月17日、大手製薬企業のファイザーは、低所得国において医薬品やワクチンを非営利で提供する取り組みを大幅に拡大し、約500品目の全製品を対象とすることを発表した。

昨年5月に開始された「An Accord for a Healthier World」プログラムは、当初、米国および欧州連合で販売されているすべての特許取得済み医薬品およびワクチンへのアクセスを非営利ベースで提供することを約束し、低所得国45カ国12億人に到達することを目標としていた。現在までに、ルワンダで特定の癌や感染症、炎症性疾患の治療薬として9種類の医薬品とワクチンを提供しており、マラウイ、ガーナ、セネガルなど16カ国と先進的な対話を行っている。

本発表により、ファイザーは本プログラムを拡大し、特許切れ製品も対象とする。これにより、低所得国で蔓延する感染症および非感染症の治療や予防に役立つ医薬品およびワクチンの対象が、23製品から約500製品に大幅に拡大される。

本プログラムに含まれる治療薬には、アコード加盟国で毎年新たに発生する約100万人のがん患者の治療に役立つ化学療法薬や経口がん治療薬、抗菌薬耐性(AMR)に伴う罹患率、死亡率およびコストの上昇に対応し、病院や地域医療クリニックでの細菌感染による年間約150万人の死亡の防止に役立つ幅広い種類の抗生物質が含まれている。

ファイザーは、新薬やワクチンを発売する際には、それらの製品も非営利目的のプログラムに含めると述べている。

【参照ページ】
(原文)Pfizer Expands ‘An Accord for a Healthier World’ Product Offering to Include Full Portfolio for Greater Benefit to 1.2 Billion People in 45 Lower-Income Countries
(日本語参考訳)ファイザー、低所得者層12億人に医薬品を非営利で提供

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る