欧・英・豪の主要機関投資家、石炭取引会社Glencoreに対し、株主決議を共同提出

欧・英・豪の主要機関投資家、石炭取引会社Glencoreに対し、株主決議を共同提出

1月23日、欧州、英国、オーストラリアの主要機関投資家は、世界最大の石炭取引会社であるGlencoreに対し、同社の一般炭生産が世界の気温上昇を1.5℃に抑えるというパリ目標にいかに合致しているかについて透明性の向上を求める株主決議を共同提出した。

世界的な機関投資家の連合は、合計で2.2兆ドル(約290兆円)の運用資産に相当する。欧州最大級の資産運用会社であるLegal and General Investment Management (LGIM)、Pensionskasse PostやBernische Pensionskasse (BPK)などスイスの大規模年金基金に代わってスイスのEthos Foundation、オーストラリアの産業スーパーファンドであるVision Super、HSBC Asset Managementが参加している。

投資家がGlencoreの一般炭生産に特化した気候変動決議を提出するのは今回が初めてであり、2022年に株主の約4分の1が気候変動計画を否決したことで既に注目されているGlencoreに対する圧力が大幅にエスカレートしたことになる。

Australasian Centre for Corporate Responsibility (ACCR) と英国に本拠を置く責任投資NGOシェアアクションが推進し共同提出された本決議は、Glencoreに対し、予測される一般炭生産と一般炭設備投資がパリ協定の目標および国際エネルギー機関(IEA)のネット・ゼロ・エミッション経路とどのように整合するかを開示するよう求めるものである。

投資家は、Glencoreの一般炭事業がパリ協定に沿ったものとなった場合の企業価値創造の機会について、Glencoreとの建設的な対話を求めている。

【参照ページ】
(原文)Global investors unite on first ever shareholder resolution targeting Glencore’s coal production
(日本語参考訳)欧・英・豪の主要機関投資家、石炭取引会社Glencoreに対し、株主決議を共同提出

関連記事

“CSAセミナー"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-4-22

    経済産業省、企業の競争力強化を目指す「ダイバーシティ経営レポート」を発表

    4月7日、経済産業省は「多様性を競争力につなげる企業経営研究会」の議論を基に、企業価値向上につなが…
  2. 2025-4-21

    中国財政部、6億元規模の人民元建てグリーンボンドをロンドン証券取引所に上場

    4月3日、中国財政部(MOF)は、人民元建てグリーンボンド6億元分(満期3年および5年、約118億…
  3. 2025-4-18

    IFRS財団とTNFD、自然関連財務情報開示で正式に協働へ

    4月9日、IFRS財団と自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は、自然資本に関する情報開示…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る