1月11日、ノルウェーを拠点とするグリーン水素技術企業Hystar ASは、シリーズB資金調達ラウンドで2,600万ドル(約34億円)を調達したことを発表した。本資金は同社の完全商業運転へのスケールアップ支援を目的としている。
欧州の研究機関SINTEFのスピンオフとして2020年に設立されたHystarは、再生可能な電力から水素を安価に製造できる高効率の固体高分子電解質膜(PEM)電解槽の製造を行っている。
水素は、クリーンなエネルギーへの移行において重要な構成要素のひとつと考えられている。特に風力や太陽光などの再生可能エネルギーによるソリューションが実用化されていない、排出量の削減が困難なセクターにおいて重要な役割を担っている。
現在は年間約9,000万トンの水素が製造されているが、そのほとんどは化石燃料を使用して抽出されており、汚染物質や温室効果ガスの排出を引き起こしている。再生可能エネルギーを動力源として他の物質から水素を抽出するグリーン水素のようなクリーンな水素供給能力の開発には、インフラ、電解、輸送などの分野で大規模な投資が必要となる。
Hystarによると、同社のPEM電解槽は、従来の電解槽よりも90%薄い膜を使用することにより、最大で150%のグリーン水素を製造できる。
同社は、2025年までに最初のGW自動化製造設備を設置することを目指している。また、今回の資金調達は、商業運営の拡大とともに、同社の成長と新市場への進出を後押しし、100MWを超える大規模プロジェクトの実現能力を高める。
本資金調達ラウンドは、APベンチャーズと三菱商事が共同で主導し、Finindus、日鉄物産、Hillhouse Investment、Trustbridge Partners、SINTEF Ventures、Firdaなどの投資家が追加で参加した。
【参照ページ】
(原文)Hystar raises USD 26mn to scale up to full commercial operations
(日本語参考訳)グリーン水素技術会社Hystar、約34億円を調達