カナダとドイツ、COP27に先立ち気候変動に関する報告書を発表

 

10月28日、カナダとドイツがCOP27気候変動会議に先立って発表した新しい報告書によると、先進国が気候変動の緩和と適応のために、途上国側に1,000億ドル(約14.8兆円)の気候変動資金を動員するという世界目標は、2023年に達成され、次の年にはそれを上回る見込みであることが明らかになった。

2023年というマイルストーンは、当初の目標よりも遅れているが、先進国の気候変動資金へのコミットメントが過去数年間で大幅に増加したことを示すものである。

途上国の気候変動対策を支援するため、2020年までに年間1000億ドルを動員するという当初の目標は2009年に発表され、2015年のパリ協定で再確認され、この目標を2025年まで延長することが合意された。しかし、OECDの推計によると、2020年までに年間の気候変動資金の動員は830億ドル(約12兆円)にしか達していない。

COP26会議の最終合意であるグラスゴー気候協定では、2025年まで毎年1000億ドルの目標を完全に達成することが求められ、進捗状況の透明性の必要性が強調された。また、途上国への適応のための気候変動資金の提供を、少なくとも2倍の年間400億ドル(約6兆円)とするよう各国に求めた。

会議では、数カ国が誓約を引き上げ、カナダとドイツは、気候変動資金を軌道に乗せるための計画を実施することを命じられた。

新しいデリバリープランには、先進国が気候変動資金の継続的な拡大を支援するために検討すべき一連の指導原則も含まれており、適応と助成金、透明性、予測可能性、民間資金動員をカバーしている。

【参照ページ】
Climate Finance Delivery Plan Progress Report: collective progress and key actions to reach US$100 billion goal

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る