7月18日、民間航空業界がネット・ゼロ・エミッションへの道筋を描くにあたり、Boeingは、2050年までに目的地に到達するための最も効果的なシナリオを示す新しいデータ・モデリング・ツールを発表した。本ツールには、主要大学との協議が含まれており、今後も主要な関係者とともに使用していく予定だ。また、未来のフライトの動力源となりうる水素と電気のコンセプトの図解も公開した。
ボーイングの最高持続可能性責任者クリス・レイモンドは、Boeingが主要大学のコンサルティングを受けて開発したデータモデリングツール「カスケード」の実演を行った。本ツールは、 Boeingが航空業界の脱炭素化に向けた主な道筋と、以下のような方法で排出量を削減する潜在的な力を評価する。
- 航空機のフリートリビューション
- SAF、水素、電気推進などの再生可能エネルギー源
- 運航効率の改善
- 先進技術
カスケードモデルは、水素、電気、持続可能な航空燃料(SAF)などの代替エネルギーの生産、流通、使用に必要な排出量を考慮し、再生可能エネルギーのライフサイクル全体への影響を評価するものである。 Boeingは、航空会社、業界パートナー、政策立案者とともにカスケードツールを活用し、さまざまな燃料源がいつ、どこで、どのように新しい航空機の設計と交差するのかについて情報を提供する予定だ。
Boeingは、「SAF and」アプローチの一環として、他の再生可能エネルギー源の安全性と航空機での利用可能性を推進し続けている。2000年代半ば以降、 Boeingは水素燃料電池と内燃機関を使用した有人・無人の航空機による6回の水素技術実証を実施した。昨年は、宇宙用に設計された液体水素16,000ガロン(一般的なリージョナルジェット機のジェットA燃料のエネルギー量に相当)を収納できるクライオタンクの実験に成功した。
Boeingは、代替推進源の広範な評価と試験、および研究パートナーシップに基づき、ハイブリッド、電気、水素を動力源とする航空機の可能性を示す「将来の飛行コンセプト」の図解も公開した。
【参照ページ】
(原文)Boeing Unveils Model to Show Best Routes to Zero Carbon Future
(日本語訳)ボーイング、炭素ゼロの未来への最適なルートを示すモデルを発表