7月11日、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)は短期的な利益と経済成長に世界的に重点を置き、政策決定における自然の複数の価値の考慮を除外した「自然の多様な価値と評価に関する評価報告書」を発表した。
生物多様性の危機に対処するためには、自然の真の価値を理解することが重要である。IPBESは、画期的な報告書の中で、自然の喪失を止めるには、短期的な物質的利益を優先させることから脱却する必要があると述べている。
本研究は、自然が持つ様々な価値と、それらをどのように意思決定に反映させるかについての洞察を提供している。これは、”開発 “と “生活の質の向上 “を再定義し、人々が互いに、そして自然界とどのように関わっているかを認識することを必要とする。
IPBESは、気候科学者からなる国連の重要なグループであるIPCCに相当する自然保護科学者と呼ばれることが多い。IPBESは、地球上の多様な動植物や、それらが人間にもたらす貢献に関する科学的評価を政策決定者に提供している。
IPBESの別の報告書では、野生の植物、動物、菌類は5人に1人の人間を支えているが、その将来の利用は乱開発によって脅かされていることが明らかになった。
生物多様性の持続可能な利用は、生物多様性に関する国連条約の3つの柱の1つであり、12月にカナダのモントリオールで開催されるサミットでは、生物多様性の損失を食い止めるための目標に合意することが重要視されている。
新しい生物多様性フレームワークは、生物多様性に関するパリ協定に相当するものと考えられている。この成果は、100万種以上を脅かす絶滅リスクの低減、陸と海の30%の保護、環境を破壊する何十億ドルもの政府補助金の廃止、劣化した生態系の回復といった課題に、世界が今後何十年も取り組む方法を決定するものである。
【参照ページ】
(原文)More than 50 Methods & Approaches Exist to Make Visible the Diverse Values of Nature
(日本語訳)50以上のメソッドとアプローチで自然が持つ多様な価値を可視化する。